法学部・学校推薦型選抜(空き家条例への疑問から)
私は将来、自治体の法務を担う職員として、暮らしの中で見えにくくなっている問題を条例の形で解決したいと考えております。そのために必要な立法の手続きと行政法の知識を学びたく、貴学法学部を志望いたします。きっかけは、高校2年の秋、通学路の空き家から屋根瓦が落ち、道路が半日通行止めになった出来事です。近所の方が以前から市に相談していたと聞き、なぜ対応が遅れたのかを知りたくて市の空き家対策条例を読みました。行政が強制的に撤去できるのは倒壊の危険が切迫した場合に限られ、所有者を特定できない空き家では手続きに1年以上かかると分かりました。市の調査では、市内の空き家1,842戸のうち約2割が所有者と連絡の取れない物件でした。危険だと分かっていても動けないのは担当者の怠慢ではなく制度の設計の問題であり、その制度は書き換えられるのだと実感いたしました。貴学を志望する理由は二つあります。第一に、2年次の『△△演習』で、実際の条例案を素材に、立法事実の検討から条文の起草までを行える点です。第二に、行政法の〇〇教授が空き家対策における財産権の制約を研究されており、私が条例を読んで抱いた疑問がそのまま研究の対象になっている点です。オープンキャンパスの模擬講義では、権利を制限する根拠を丁寧に組み立てなければ条例は機能しないと伺い、感情ではなく条文で考える姿勢を学びたいと感じました。入学後は、1年次に憲法と民法の基礎を固め、2年次から行政法と地方自治法に重点を置きます。3年次には〇〇教授のゼミで、所有者が分からない空き家への行政代執行を研究テーマにし、市の担当課への聞き取りをもとに卒業論文にまとめたいと考えております。条例の一文が住民の安全を左右することを、私は自分の通学路で知りました。制度の側から地域の暮らしを支える法律家となるため、貴学法学部で学びたいと考えております。
800字・文系(学校推薦型選抜)
この例文のポイント
- 条例を自分で読み、対応が遅れた理由を制度の設計に求めています。感想ではなく調べた事実から出発している点が評価されます。
- 志望理由を二つに整理し、演習の科目名と教員の研究テーマを、自分が抱いた疑問と直接結びつけています。
- 結びで冒頭の通学路の出来事に戻しており、目標と体験と学びの計画が一本の線としてつながっています。