志望理由書の書き出しと締め6型・4型と学校別の例
志望理由書の印象は、書き出しの2文と締めの1文でほぼ決まります。このページでは、大学・専門学校・看護に共通して使える書き出し6パターンと締め4パターンを、完成例文3本とあわせて解説します。結論先行型・体験起点型・問い起点型など、自分の素材に合った型を選び、書き出しと締めを呼応させることで一貫性のある志望理由書になります。
志望理由書の書き出しと締めを3ステップで書く
- 1.書き出しは型を選ぶことから始めます。結論先行型・体験起点型・問い起点型など6つの型から、自分の体験と目標に合うものを1つ選んでください。
- 2.締めは書き出しと対応させます。書き出しで掲げた目標や問いに戻る呼応型、卒業後の貢献で締める貢献型など4つの型があります。
- 3.書き出しと締めを先に決めてから本文を書くと、全体の方向が定まり、途中で話が逸れにくくなります。
このページが向いている人:志望理由書の書き出しが決まらず手が止まっている受験生、書き出しと締めのパターンを知りたい高校生、大学・専門学校・看護のいずれにも使える型を探している人に向けたページです。
書き出しと締めの考え方 5ステップ
書き出しの2文が読み手の読み方を決める
志望理由書の書き出しは、読み手が残りをどう受け取るかを決める信号です。最初の2文で目標と方向が見えれば、読み手は内容の妥当性を確かめる姿勢で読み進めます。方向が示されないまま本文に入ると、どれだけ具体的な内容を書いても印象に残りにくくなります。大学・専門学校・看護のいずれでも、書き出しの役割は変わりません。
私は将来、〇〇として△△に取り組みたいと考え、貴学(貴校)□□学部(学科)を志望いたします。
「私が貴学を志望した理由は三つあります」と始まり、目標も体験も示されないまま番号だけが続く。
結論先行型——目標を1文目に置いて方向を示す
最も失敗の少ない書き出しの型です。1文目に将来の目標を書き、2文目で志望先につなげます。読み手は最初に結論を受け取るため、その後の体験や学びの計画を目標との整合性で判断できます。目標が「弁護士になりたい」のように職業名だけで終わると方向が定まりません。どの分野で、誰の、どんな問題に関わりたいかまで踏み込んでください。
私は将来、〇〇の分野から△△という課題の解決に関わりたいと考え、貴学□□学部を志望いたします。
「将来は人の役に立つ仕事がしたいです」と書き、分野も対象も絞られていない。
体験起点型——場面で引き込み、2文目で着地させる
きっかけとなった体験の場面から書き始める型です。読み手の関心を引きやすい反面、場面描写が長引くと体験記になり志望理由書から離れます。1文目で場面を切り取ったら、2文目で必ず目標へ着地させてください。看護や福祉など、体験が志望の核にある分野と相性の良い型です。総合型選抜でも、体験の質を問われる場面で力を発揮します。
〇〇のとき、△△という場面に立ち会い、□□を目指したいと考えるようになりました。
体験の描写が3文以上続き、4文目になっても何を志望しているのかが見えない。
締めの1文が読後の印象を固定する
締めは新しい話題を持ち出す場ではなく、ここまで積み上げた内容を1文に集約する場です。書き出しで掲げた目標に戻る、卒業後の貢献を示す、学ぶ決意を述べるなど型は複数ありますが、いずれも本文の延長線上にある言葉で締めます。挨拶文や「よろしくお願いいたします」で終わる必要はありません。字数は最後の一文まで志望の理由そのものに使ってください。
〇〇という目標を実現するために、貴学(貴校)□□学部(学科)で学びたいと考えております。
「以上の理由から貴学を志望いたします。何卒よろしくお願いいたします。」と定型の挨拶文で字数を使っている。
書き出しと締めを呼応させて一本の線にする
書き出しで使った言葉を締めで拾い直すと、読み終えた瞬間に全体が一本の線としてつながります。たとえば書き出しで「患者の権利を守る制度をつくりたい」と書いたなら、締めも同じ言葉で閉じます。面接でも有効で、話の最初と最後が揃っていると聞き手は内容を構造的に記憶できます。呼応させる言葉は目標の核にある名詞句を選んでください。
(書き出し)〇〇に取り組みたい →(締め)〇〇に取り組むために、貴学で学びたいと考えております。
書き出しでは「地域医療に貢献したい」と述べたのに、締めでは「グローバルに活躍したい」と別の目標が出てくる。
書き出しと締めの完成例文(大学・専門学校・看護)
書き出しと締めの組み合わせが異なる3本の完成例文です。結論先行型×呼応型、体験起点型×貢献型、問い起点型×決意型の構成を確認し、自分の素材に合う型を選んでください。
結論先行型 × 呼応型(大学・法学部)
※ 上記は例文です(763字)。教授名・授業名・エピソードはご自身の情報に書き換えてください。
この例文のポイント
- 冒頭で「患者の権利を守る制度づくり」と目標を明示し、結論先行型の書き出しとして機能しています。
- 祖父の同意書署名という身近な場面から問題意識が生まれた過程が明確で、体験と目標が直結しています。
- 締めで書き出しの「患者の権利を守る制度づくり」をそのまま拾い直し、呼応型として全体を一本の線にまとめています。
体験起点型 × 貢献型(専門学校・看護)
※ 上記は例文です(729字)。教授名・授業名・エピソードはご自身の情報に書き換えてください。
この例文のポイント
- 体験の場面から書き始め、2文目で「知識に裏打ちされた対応の力」という気づきに着地させています。
- 観察対象が場面ごとに異なるという発見が、基礎から体系的に学ぶ必要性への動機づけになっています。
- 締めで「地域の医療と介護に貢献したい」と卒業後の貢献先を具体的に示し、貢献型の構成になっています。
問い起点型 × 決意型(大学・教育学部)
※ 上記は例文です(709字)。教授名・授業名・エピソードはご自身の情報に書き換えてください。
この例文のポイント
- 社会的な問いから書き始め、本文全体がその問いへの回答になる構成です。
- 友人の不登校を探究学習のテーマに発展させ、調査結果への批判的な視点まで示しています。
- 締めで「決意をもって」と学ぶ意志を明示し、問いに対する自分の答えとして入学を位置づけています。
志望理由書の書き出し 6パターン
結論先行型(将来の目標から書き出す)
私は将来、医療と法律の交差する領域で、患者の権利を守る制度づくりに関わりたいと考えております。
最も安全な型です。1文目に目標、2文目に志望先を置けば、読み手は残りの内容を目標との整合性で判断できます。大学・専門学校・看護のいずれにも使えます。
体験起点型(きっかけの場面から書き出す)
職場体験で訪れた介護施設で、利用者の方がむせた瞬間に看護師がすぐに姿勢を整える対応を見て、私はこの仕事に就きたいと強く思いました。
場面で読み手を引き込める反面、体験の描写が長くなると志望理由が後回しになります。2文目までに目標へ着地させてください。看護や福祉の志望理由書と相性の良い型です。
問い起点型(社会の課題や疑問から書き出す)
なぜ、不登校の児童生徒は10年以上増え続けているのに、学校の対応は担任個人の裁量に委ねられたままなのか。
問いの答えを本文全体で示す構成になります。問いが大きすぎると回収できないため、自分の体験から生まれた具体的な問いに限ってください。
大学・学校起点型(志望校の特色から書き出す)
貴学教育学部の『教育臨床演習』でフリースクールを調査できると知り、ここで学びたいと強く感じました。
志望先の固有情報から入るため調べた姿勢は伝わりますが、単独では感想文になりがちです。2文目で必ず自分の目標へつなげてください。
数字起点型(統計や事実から書き出す)
日本の難民認定率は1パーセントを下回る年もあり、先進国の中で突出して低い水準にあります。
客観的な事実で始めるため説得力がありますが、数字だけでは自分との接点が見えません。次の文で、なぜその数字に関心を持ったのかを自分の体験につなげてください。
対比型(常識と自分の気づきの対比から書き出す)
手術の同意書に署名すれば患者は説明を受けたことになる——そう思い込んでいた私の認識は、祖父の入院をきっかけに覆りました。
読み手の想定を揺さぶれる型ですが、対比が作為的に見えると逆効果です。自分が実際に経験した認識の変化だけを素材にしてください。
志望理由書の締め 4パターン
決意型(学ぶ意志で締める)
すべての子どもに学びの選択肢を届けられる教育者になるという決意をもって、貴学教育学部への入学を志望いたします。
最も汎用的な型です。目標を短く言い換えて入れると、意気込みだけの空文になりません。大学・専門学校・看護のいずれでも使えます。
貢献型(卒業後に社会へ返すことで締める)
卒業後は、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう支える看護師として、地域の医療に貢献したいと考えております。
卒業後の進路が具体的な場合に有効です。「社会に貢献したい」だけでは何も伝わらないため、誰に何を届けるのかを書いてください。
呼応型(書き出しの目標に戻って締める)
患者の権利を守る制度づくりに法の側から取り組むために、貴学法学部で学びたいと考えております。
書き出しの言葉をそのまま拾い直す型です。読後の印象がまとまり、面接でも同じ順序で話せます。書き出しが結論先行型のときに最も自然に使えます。
展望型(将来のビジョンで締める)
10年後、この研究で得た知見を教育現場に届け、不登校の生徒が学校以外にも学べる場を選べる社会をつくりたいと考えております。
卒業後よりさらに先の将来像で締める型です。ビジョンが壮大すぎると現実味を失うため、本文で述べた研究や実践の延長線上に置いてください。
よくある質問
Q. 志望理由書の書き出しで避けるべき表現はありますか?
「私が貴学を志望した理由は三つあります」のように、理由の数だけを予告する書き出しは避けてください。字数を使う割に情報が増えません。「人の役に立ちたい」「社会に貢献したい」「幼い頃からの夢でした」も、分野や対象が絞られていないため、読み手に何も伝わりません。書き出しの1文には、どの分野で何をしたいのかまで入れてください。
Q. 志望理由書の締めに「よろしくお願いいたします」は必要ですか?
不要です。志望理由書は手紙ではないため、末尾に挨拶文を入れる必要はありません。「以上の理由から志望いたします。何卒よろしくお願いいたします。」のような定型文は、限られた字数を挨拶に使うことになり、志望の理由そのものが薄くなります。最後の一文まで、自分の目標や決意を述べる内容に使ってください。
Q. 書き出しと締めにはそれぞれ何文字くらい使えばいいですか?
800字の志望理由書の場合、書き出しは2文で60〜80字、締めは1〜2文で40〜60字が目安です。全体の1割前後を書き出しと締めに使い、残りの8割を体験・志望理由・学びの計画に充てます。書き出しが100字を超えると本題に入るのが遅くなり、締めが長いと蛇足に見えます。400字の場合は書き出し1文・締め1文に絞ってください。
Q. 面接で志望動機を聞かれたとき、志望理由書と同じ書き出しで話し始めてよいですか?
志望理由書の書き出しをそのまま話し始めの1文に使って構いません。むしろ、書類と面接で方向が揃っていたほうが一貫性のある印象を与えます。ただし、書き言葉をそのまま暗唱すると不自然になるため、要点だけを自分の話し言葉に直してください。「私は〇〇に取り組みたいと考え、貴学を志望しました」程度の長さが話しやすくなります。
Q. AIで志望理由書の書き出しを作ってもいいですか?
下書きの出発点として使うのは有効です。志望動機AIの作成ツールに学部と体験を入力すれば、書き出しを含む全体の骨組みが生成されます。ただし、生成された書き出しは汎用的な表現になりがちです。自分の目標と体験に合った言葉に書き換え、面接で「なぜその1文目にしたのか」と聞かれても答えられる状態にしてから提出してください。