専門学校の志望理由書の書き方と例文3本・200字版
専門学校のAO入試・推薦入試で提出する志望理由書を、高校生が一人で書き上げられるように5段構成で説明します。美容・IT・調理の完成例文3本、600字を200字に縮めた圧縮版、書き出しと締めの型まで掲載しました。志望動機AIの作成ツールを使えば、下書きは無料で作れます。
専門学校の志望理由書を3ステップで書く
- 1.専門学校の志望理由書は、なりたい職業と取得したい資格を1文で示し、その職業を目指すきっかけになった体験を1つ具体的に書くところから始めます。
- 2.学校を選んだ理由は、実習時間や資格合格率、企業連携など、その学校にしかない情報を2つ以上挙げて説明します。
- 3.入学後の学びを年次ごとに書き、冒頭の目標に呼応させて締めると、一貫性のある志望理由書になります。
このページが向いている人:AO入試や推薦入試で志望理由書の提出を求められた高校生、書き出しが決まらず手が止まっている人、600字の下書きを200字に縮める必要がある人に向けたページです。
専門学校の志望理由書の書き方 5段構成
将来の目標を職業と資格で具体的に示す
専門学校の志望理由書は、冒頭の2文で読み手の受け取り方が決まります。書くのは「なりたい職業」と「取得したい資格」です。大学と違い、専門学校は特定の職業に直結する教育機関であるため、どんな現場でどんな仕事をしたいのかまで踏み込むと、なぜこの学科なのかが自然に説明できます。「美容師になりたい」で止めるより、「お客様一人ひとりの髪質と生活に合ったスタイルを提案できる美容師になりたい」と書けば、技術だけでなく対話力も学びたいという姿勢が1文で伝わります。職業は決まっているが現場のイメージがまだ曖昧な場合は、職場体験やオープンキャンパスで見た場面を思い出してください。
私は将来、〇〇の資格を取得し、△△として□□の現場で働きたいと考え、貴校◇◇科を志望いたします。
「人の役に立ちたい」「手に職をつけたい」といった表現だけで終わり、どの職業・資格を目指すのかが書かれていない。
きっかけは体験を1つに絞って掘り下げる
その職業を目指すようになった体験を1つだけ取り上げ、何を見て何を考えたかを具体的に書きます。2つ以上並べると、どれも説明が浅くなり、読み手の記憶に残りません。選ぶ基準は出来事の珍しさではなく、そこで何を感じ、自分の進路にどうつながったかを語れるかどうかです。職場体験、アルバイト、家族の仕事、ボランティア、日常の出来事など、題材は何でも構いません。大切なのは「感動した」で終わらせず、その体験がなぜ自分の将来像を変えたのかという筋道を残すことです。具体的な人の反応や数字を1つ入れると、体験が一気に読み手に伝わります。
この目標を持ったきっかけは、高校〇年生のときに△△を経験し、□□という仕事のやりがいを間近で知ったことです。
体験を3つ以上並べて自己紹介文になり、目指す職業との接点が最後まで示されない。
なぜ貴校のこの学科なのかを固有情報で示す
合否を分けるのはこの段です。判定は単純で、学校名を別の学校に置き換えても文章が成立するなら書き直しです。使うのは、パンフレット、ホームページ、オープンキャンパスで得た固有の情報です。実習時間数、使用する設備、講師の実務経験、企業との連携プログラム、インターンシップ先、資格試験の合格率、就職率と就職先の業種などです。このうち2つ以上を挙げ、それぞれが自分の目標のどの部分に必要なのかを一言添えます。「設備が充実している」「先生が優しい」だけでは、どの学校にも当てはまるため、調べていないことが伝わるだけです。
貴校〇〇科では△△の実習を年間□□時間行えるほか、◇◇企業との連携授業で現場の技術を直接学べる点に魅力を感じました。
校風や立地の良さ、就職率だけを挙げ、カリキュラムや実習の中身に一度も触れないまま次の段に進んでいる。
入学後の学びを年次ごとに設計する
2年制なら1年次・2年次、3年制なら1年次・2年次・3年次と時間軸で計画を書きます。科目名や実習名を挙げるだけでは足りず、その学びが目標のどの部分を支えるのかまで書いてください。1年次は基礎技術と座学、2年次以降は専門分野の深掘りと資格試験対策、最終年次は現場実習と就職活動という順に並べると、カリキュラムを読み込んだことが伝わります。取得予定の資格は、目標の職業に必要なものだけに絞ります。すべてを列挙すると何を重視しているのか分からなくなります。ここで挙げた実習や資格は面接で聞かれることがあるので、内容を確認してから書いてください。
入学後は1年次に〇〇の基礎技術を身につけ、2年次には△△の資格取得を目指しながら□□実習で実践力を磨きたいと考えております。
2年間の計画が「一生懸命頑張ります」の一文で終わり、取得したい資格も履修したい科目も挙がっていない。
決意は書き出しと呼応させて締める
最後の段落は2〜3文で足ります。新しい話題を持ち出さず、01で掲げた目標に戻ることだけを考えてください。冒頭で「お客様に合ったスタイルを提案できる美容師になりたい」と書いたなら、末尾も同じ言葉で締めます。この呼応があると、読み終えた瞬間に全体が一本の線としてつながり、面接でも同じ順序で話せるようになります。高校で身につけた力を一言だけ添えると、入学後も続く姿勢として伝わります。挨拶文で締める必要はありません。字数は最後の一文まで、志望の理由そのものに使ってください。
〇〇という目標を実現するために必要な技術と知識が貴校にあると確信し、貴校□□科を志望いたします。
本文で一度も触れていない部活動の実績や資格を最後に付け足し、話が広がったまま終わっている。
専門学校の志望理由書 完成例文(美容・IT・調理)
上の5段構成に沿って書いた、600字前後の完成例文です。美容・IT・調理の3分野を掲載しています。学校名・講師名・エピソードを自分の情報に置き換えて使ってください。
美容専門学校・AO入試(文化祭のヘアアレンジから)
※ 上記は例文です(683字)。教授名・授業名・エピソードはご自身の情報に書き換えてください。
この例文のポイント
- 文化祭のヘアアレンジという身近な体験から出発し、職場体験で「対話の力」という気づきを得ています。成果ではなく、考えの変化を軸にしている点が評価されます。
- 志望理由を二つに整理し、実習時間の数字と国家試験合格率という客観的な根拠を挙げています。「設備がきれい」のような感想で終わっていません。
- 結びで冒頭の「お客様」という言葉に戻しており、目標と体験と学びの計画が一本の線としてつながっています。
IT専門学校・AO入試(洋菓子店のホームページ制作から)
※ 上記は例文です(617字)。教授名・授業名・エピソードはご自身の情報に書き換えてください。
この例文のポイント
- 洋菓子店のホームページ制作という実体験から出発し、「コードが人の行動を変えた」という手応えと、表示崩れという失敗の両方を書いています。
- チーム開発の授業とクライアント案件への参加という二つの固有情報を挙げ、個人制作の限界を超えたいという動機と結びつけています。
- 冒頭の「使う人の立場」という言葉が結びにも戻っており、全体の一貫性が保たれています。
調理専門学校・推薦入試(祖父母の農家での体験から)
※ 上記は例文です(632字)。教授名・授業名・エピソードはご自身の情報に書き換えてください。
この例文のポイント
- 祖父母の農家での体験から食材への関心を示し、料理教室で技術の奥深さを知るという二段階の気づきが書かれています。
- 和洋中を幅広く学べるカリキュラムと農家連携授業という二つの固有情報を挙げ、自分の状況と目標にそれぞれ結びつけています。
- 冒頭の「地元の食材を活かした」が結びの「食材の持ち味を最大限に」と呼応しており、全体が一貫しています。
600字の志望理由書を200字に圧縮する
上の『美容専門学校・AO入試(文化祭のヘアアレンジから)』を200字に圧縮した例です。
400字に圧縮した例文
400字・圧縮版※ 上記は例文です(211字)。教授名・授業名・エピソードはご自身の情報に書き換えてください。
圧縮の手順
- 1.最初に削るのは背景説明と一般論です。誰にでも書ける文から落としていくと、自分にしか書けない部分だけが残ります。
- 2.残すのは、体験の中の具体的な場面と志望理由の核です。理由が二つあるなら、根拠の数字だけを一文にまとめます。
- 3.「〜であり、〜のため」とつないだ長い文を切ります。1文に情報を1つだけ入れる形に直すと、重複した説明が見つかり、字数を減らせます。
- 4.学びの計画は年次の区切りを省き、卒業時の姿だけを書きます。締めの一文は削らず、冒頭との呼応は必ず残してください。
専門学校の志望理由書の書き出し 4パターン
結論先行型(将来の目標から書き出す)
私は将来、お客様一人ひとりに合ったスタイルを提案できる美容師になりたいと考えております。
最も失敗の少ない型です。1文目に目標の職業、2文目に志望学科を置けば、読み手は残りを構造的に読めます。
体験起点型(きっかけの場面から書き出す)
高校2年の文化祭で初めてクラスメイトのヘアアレンジを任されたとき、仕上がりを見た友人の表情が忘れられませんでした。
場面で引き込める反面、2文目までに目標の職業へ着地させないと体験記で終わります。AO入試と相性の良い型です。
問い起点型(職業への問いから書き出す)
美容師の仕事はカットの技術だけで決まるのか。職場体験でその答えを知ったことが、私の進路を決めました。
問いの答えを本文全体で示す構成になります。問いが大きすぎると回収できないため、自分の体験から出た問いに限ります。
学校起点型(貴校の特色から書き出す)
貴校美容科のサロン実習が年間200時間を超えると知り、この環境で技術を磨きたいと強く思いました。
単独で使うと学校への感想文になります。その特色が自分の目標に必要な理由を、2文目で必ずつなげてください。
専門学校の志望理由書の締め 3パターン
決意型(学ぶ意志で締める)
お客様に選ばれる美容師になるために必要な技術と対話の力を、貴校で身につけたいと考えております。
最も汎用的な型です。目標の職業を短く言い換えて入れると、意気込みだけの空文になりません。
貢献型(卒業後に現場で返すことで締める)
身につけた技術で、お客様の毎日に自信を届けられる美容師として現場に立ちたいと考えております。
卒業後の働き方が具体的に見えている場合に有効です。「社会に貢献したい」だけでは伝わらないため、届ける相手を書きます。
呼応型(書き出しの目標に戻って締める)
髪型ひとつで人の気持ちが変わることを、私は文化祭の日に知りました。その変化を届ける側に立つため、貴校を志望いたします。
書き出しの言葉をそのまま拾い直す型です。読後感が最もまとまり、面接でも同じ順序で話せます。
よくある質問
Q. 専門学校の志望理由書は何文字書けばいいですか?
募集要項に指定がある場合は、上限の8割は必ず埋め、9割前後まで書くのが理想です。400字以内なら360字前後、600字以内なら540字前後を目標にしてください。専門学校の志望理由書は大学に比べて字数が少ない傾向がありますが、短いからこそ一文ごとの密度が問われます。指定がない場合は、配布された用紙から逆算し、8割以上を埋めてください。上限を超えるのは様式違反にあたるため、必ず枠内に収めます。
Q. AO入試と推薦入試で書き方は変わりますか?
5段構成は共通で、違うのは重心の置き方です。AO入試(総合型選抜)では、その職業を目指すきっかけの体験と、入学後に何を学びたいかを厚く書きます。自分で考えて動いた経験が重視されるため、受け身の感想ではなく、自分がどう行動したかを具体的に書いてください。推薦入試(学校推薦型選抜)は高校の学習態度や活動実績との一貫性が問われます。評定平均に表れない努力を、きっかけの段に具体的に書くと効果的です。どちらの入試でも、なぜこの学校のこの学科なのかを固有情報で示す第3段が合否を分けます。
Q. 資格や実績がない場合はどう書けばいいですか?
専門学校の志望理由書で求められているのは、すでに持っている資格や実績ではなく、その職業を目指す理由と入学後の学びの計画です。資格を持っていなくても、職場体験で何を感じたか、オープンキャンパスで何に惹かれたか、日常のどんな場面で興味を持ったかを具体的に書けば十分です。逆に、関連のない検定や部活動の実績を無理に詰め込むと、話が散らかって志望理由が薄まります。書くべきは、これから学ぶ意欲とその根拠です。
Q. 専門学校の志望理由書をAIで下書きしてもいいですか?
下書きの作成に使うのは有効です。志望動機AIの作成ツールに職業と体験を入力すれば、5段構成の骨組みが数十秒で出ます。ただし、そのままでは提出できません。生成AIは実習時間や合格率を正確に把握していないため、学校のパンフレットとホームページで必ず裏を取り、体験の場面は自分のものに差し替えてください。基準は、面接でその実習のどこに惹かれたかと聞かれ、自分の言葉で答えられるかどうかです。
Q. 専門学校には「貴校」と「貴学」のどちらを使いますか?
専門学校に提出する志望理由書では「貴校」を使います。「貴学」は大学に対して使うのが一般的です。専門学校に「貴学」を使うと、大学と混同した印象を与えることがあるため「貴校」に統一してください。話し言葉では「御校」を使います。面接で「貴校」と言っても通じますが、「御校」のほうが口語として自然です。なお「貴校」は書き言葉、「御校」は話し言葉という使い分けが一般的なので、志望理由書の中では一貫して「貴校」と書いてください。