指定校推薦の志望理由書

指定校推薦の志望理由書の書き方と例文4本・校内選考

指定校推薦の志望理由書は、高校の校内選考で先生方が読むことがあり、推薦が決まった後は志望校の選考資料になります。読む人が変わるため、同じ志望の理由でも書き方を変える必要があります。このページでは、「推薦枠があったから」から一歩進んだ志望理由の書き方を5つのステップで説明します。例文は、経営学部を志望する同じ生徒の校内選考用400字と出願用800字、理学部化学科の600字、看護学部の400字の4本です。字数別の配分、書けないときの材料集め、落ちる可能性、提出までの流れ、推薦書・調査書との違いもまとめました。

指定校推薦の志望理由書を3ステップで書く

  1. 1
    志望校の募集要項やシラバスを読み、推薦枠がなくても学びたい授業や研究を2〜3個書き出します。
  2. 2
    高校の授業や続けてきた活動から、その授業につながる経験を1つ選び、数えた数字と気づきを添えて書きます。
  3. 3
    校内選考用を書いたら、志望校の様式と字数に合わせて出願用に書き直し、推薦書や面接の答えと食い違いがないかを先生と確かめます。

このページが向いている人:指定校推薦で出願する高校3年生のうち、校内選考に出す志望理由書を準備している人と、推薦が決まって志望校に出す志望理由書を仕上げる人に向けたページです。「推薦枠があったから」以外の理由が思いつかない人や、400字と800字の書き分けに迷っている人、指導する先生や保護者の方にも役立ちます。

指定校推薦の志望理由書|書き方5ステップ

  1. 一
    推薦枠と志望理由

    「推薦枠があったから」を、学びたい理由に置き換える

    指定校推薦の推薦枠は、その大学に出願できるという条件にすぎず、志望の理由にはなりません。読み手は、枠があったから選んだだけではないかという目で志望理由書を読みます。書き始める前に、志望校の募集要項やシラバス、学部のサイトを読み、推薦枠がなくても学びたい授業・ゼミ・研究を2〜3個書き出してください。そのうえで、将来の目標と志望学部を1文目にまとめます。目標は職業名で終えず、誰のどんな課題に関わりたいのかまで書くと、学部を選んだ理由が冒頭から伝わります。

    テンプレート

    〇〇の課題に△△の立場から関わることを目標に、貴学□□学部を志望いたします。

    NG「本校に貴学の指定校推薦の枠があり、自分の評定で出願できるため志望いたしました。」と、出願の条件をそのまま志望の理由にした書き出し。

  2. 二
    高校での学び

    評定を支えた授業と活動を、志望学部の学びにつなげる

    指定校推薦では、評定平均などの学習成績が推薦の条件になっていることが多くあります。評定の数字は調査書に載るため、志望理由書に書き写す必要はありません。その評定を支えた授業の中身や、高校1年から続けてきた活動を1つ選び、志望学部の学びにつながる経験として書きます。題材は授業の実験や課題、委員会、部活動など、先生方も知っている場面で構いません。数えた数字と、分かったこと、分からずに残ったことまで書くと、大学で学ぶ理由につながります。

    テンプレート

    〇〇の授業で△△に取り組んだ際、□□という疑問が残り、大学で確かめたいと考えるようになりました。

    NG「高校入学から評定平均4.3を保つよう努力してきました」と成績の数字だけを挙げ、何を学んだのかが一言もない段落。

  3. 三
    志望校の固有情報

    同じ学部がある大学の中から、志望校を選んだ理由を書く

    経営学部や看護学部は多くの大学にあるため、「〇〇学部で学びたい」だけでは、なぜ志望校なのかが伝わりません。シラバスで確かめた授業名、ゼミや研究室のテーマ、実習の内容から1〜2つを選び、そこで何を学び、何を確かめたいのかを書いてください。推薦枠以外の理由を具体的に示す段なので、指定校推薦では厚めに書きます。「伝統がある」「就職に強い」は、どの受験生にも書ける理由なので、学びの中身に置き換えてください。

    テンプレート

    貴学を選んだのは、『〇〇演習』で△△を学び、□□という疑問を確かめられるからです。

    NG「歴史と伝統があり、就職実績も高い貴学で学びたいと考えました」と、大学案内の紹介文を言い換えただけの理由。

  4. 四
    入学後と将来

    入学後の学びと卒業後の目標を、学年の順に具体化する

    指定校推薦は、合格したら入学することを約束して出願する専願の形が一般的です。だからこそ、入学後に何をどの順で学ぶのかを具体的に書くと、その大学で学び続ける意思が伝わります。1年次に固める基礎、2年次以降に取り組む演習や実習、3年次から入りたいゼミや研究室の順に、1〜2文で書いてください。卒業後の目標は、冒頭に書いた目標と同じ言葉で結びます。

    テンプレート

    入学後は1年次に〇〇の基礎を固め、△△のゼミで□□を研究し、卒業後は◇◇として働きたいと考えております。

    NG「入学後は何事にも全力で取り組み、充実した大学生活を送りたいです」と書いただけで、学ぶ中身が見えない計画。

  5. 五
    書類の一貫性

    推薦書・調査書・面接と食い違わないようにそろえる

    大学は、志望理由書を、高校が作成する推薦書や調査書と並べて読みます。面接が行われる場合は、提出した志望理由書が質問の材料になります。将来の目標、活動の期間や役割、数字、授業名が書類ごとに違っていると、読み手はどれが正しいのか判断できません。下書きができたら担任の先生に読んでもらい、推薦書に書かれる内容と方向が合っているかを確かめてください。提出前にコピーを取り、一文ごとに「なぜそう考えたのか」を自分の言葉で答えられるようにしておくと、そのまま面接の準備になります。

    テンプレート

    〇〇で取り組んだ△△の経験を土台に、貴学□□学部で◇◇を学びたいと考えております。

    NG志望理由書には「将来は商品企画の仕事に就きたい」と書いたのに、面接では「公務員を目指しています」と答えてしまう食い違い。

指定校推薦の志望理由書の例文4本(校内選考用・出願用)

例文1と例文2は、経営学部を志望する同じ生徒の校内選考用400字と、それを広げた出願用800字です。例文3は理学部化学科の600字、例文4は看護学部の400字で、4本とも推薦枠ではなく学びたい授業や研究を志望の理由にしています。

1

校内選考用・経営学部(生徒会で自動販売機の品ぞろえを見直した経験から)

398 字

買う人の声と実際の売れ行きの両方を確かめて商品を企画できる人になるため、貴学経営学部を志望いたします。高校2年から生徒会役員として、校内の自動販売機の品ぞろえを見直しました。全校アンケートを数学で学んだ方法で集計し、要望の多い3種類への入れ替えを業者に提案しました。1か月後、無糖のお茶は売り切れが続いた一方、要望が2番目に多い炭酸飲料はあまり売れませんでした。欲しいという声と、実際に買う行動は違うのだと気づきました。貴学を選んだのは、『△△マーケティング調査演習』で意識調査と販売データを組み合わせ、消費者行動を分析する方法を学べるからです。地域の店との共同調査で、疑問を実店舗で確かめられる点にも惹かれました。入学後は統計学と消費者行動論の基礎を固め、〇〇教授のゼミで声と行動の差が生まれる理由を研究します。買う人の声と売れ行きを確かめる力を、第一志望の貴学で身につけたいと考えております。

400字・校内選考用(経営学部)

この例文のポイント

  • 校内選考で読むのは、生徒会での活動や授業の様子を知っている先生方です。活動の経緯は短くし、生まれた疑問と志望校で学ぶ理由に字数を回しています。
  • 締めの「第一志望の貴学」で、合格したら入学する意思を示しています。推薦枠には触れず、学びたい授業だけで志望を説明しています。
  • 段ごとの字数は、目標51字、高校での学び159字、志望校を選んだ理由98字、入学後49字、締め41字です(合計398字)。
2

出願用・経営学部(例文1の400字版を800字に広げた例)

798 字

私は将来、食品メーカーで、買う人の声と実際の売れ行きの両方を確かめて商品を企画する仕事に就きたいと考えております。その方法を基礎から学ぶため、貴学経営学部を志望いたします。生徒会役員になった高校2年の春から、自動販売機の品ぞろえの見直しを担当しました。全校アンケートには412人が回答し、数学の授業で学んだデータの分析を使って、学年ごとの違いまで集計しました。その結果をもとに3種類の入れ替えを業者の方に提案し、実現しました。1か月後、業者の方によると、無糖のお茶は補充が追いつかないほど売れた一方、2番目に要望が多かった炭酸飲料はあまり売れなかったそうです。理由を尋ねて回ると、「普段は水筒を持ってきている」「値段を見てやめた」という声が多く聞かれました。欲しいという声と、実際に買う行動は違うのだと気づきました。アンケートで値段や買う場面を尋ねなかったため、差の原因は私の調査では確かめきれませんでした。貴学を選んだのは、2年次の『△△マーケティング調査演習』で、調査票の作り方から販売データの分析までを実際の調査を通して学べるからです。質問の作り方で結果が変わることは、生徒会の調査で学びました。演習では地域の店との共同調査もあり、疑問を実店舗で確かめられます。〇〇教授は、調査での回答と実際の購買行動のずれを、店頭の販売データから研究されています。自動販売機の前で抱いた疑問に、正面から応えてくれる研究です。入学後は1年次に統計学と消費者行動論の基礎を固め、2年次の演習では、値段や場面を含めた調査票を自分で作ります。3年次からは〇〇教授のゼミで、食品の購買データを使い、声と行動の差が生まれる条件を研究する計画です。卒業後は、その方法を食品の商品企画に生かします。生徒会の調査で抱いた問いを出発点に、買う人の声と売れ行きの両方を確かめて商品を生み出せる力を、貴学で身につけてまいります。

800字・出願用(経営学部・例文1を広げた版)

この例文のポイント

  • 例文1と同じ目標の言葉で書き出し、気づきの一文もそのまま残しています。校内選考と出願で目標がそろうため、推薦書や面接での答えとも食い違いません。
  • 増えた字数は、412人のアンケート、理由の聞き取り、値段を尋ねなかった反省、教授の研究、学年ごとの計画に使っています。初めて読む大学の先生にも、疑問が生まれた筋道が伝わります。
  • 段ごとの字数は、目標86字、高校での学び318字、志望校を選んだ理由204字、入学後129字、締め61字です(合計798字)。400字版から最も増えたのは高校での学びの段で、159字から318字になっています。
3

出願用・理学部化学科(化学の授業の中和滴定で、班ごとの結果がずれた経験から)

597 字

私は、食品や飲み水の成分を正確に測り、その値の確かさまで説明できる分析の専門家を目指し、貴学理学部化学科を志望いたします。高校2年の化学の授業で中和滴定をした際、同じ濃度の水溶液なのに、7つの班の滴定量は最大で0.4mLずれていました。教科係だった私が各班に手順を尋ねると、目盛りを読む目の高さや終点とする色の濃さが班ごとに違っていました。手順をそろえて翌週に測り直すと、差は0.1mLまで縮まりました。残った差が器具と室温のどちらによるのかは、高校の設備では確かめられませんでした。測った値のばらつきを評価できなければ、結果は信頼できないと気づきました。貴学化学科を選んだのは、2年次の『△△分析化学実験』で、同じ試料をくり返し測り、ばらつきを統計的に評価する方法まで学べるからです。〇〇教授が、食品に含まれる微量の金属を正確に測る方法を研究されていることも、貴学を選んだ理由です。器具か室温かという、高校で確かめられなかった問いにも、貴学でなら向き合えると考えております。入学後は1年次に化学の基礎と統計学を身につけ、2年次の実験では測定の手順を一つずつ記録して確かめる習慣を固めます。3年次以降は〇〇教授の研究室で、食品の分析値の確かさを評価する方法を研究したいと考えております。0.4mLのずれから始まった問いを、食品や水の安全を数字で支える分析の力へと育てるため、貴学で学び続けます。

600字・出願用(理学部化学科)

この例文のポイント

  • 題材は化学の授業の実験です。評定に表れている教科の学びを掘り下げているため、調査書の記録と志望理由書の中身がつながります。
  • 0.4mLから0.1mLへの改善に加え、器具か室温かを確かめられなかった限界まで書いています。その疑問が、実験科目と教授の研究を選ぶ理由になっています。
  • 段ごとの字数は、目標61字、高校での学び217字、志望校を選んだ理由160字、入学後105字、締め54字です(合計597字)。
4

校内選考用・看護学部(保健委員として手洗いを呼びかけ、洗い残しを調べた経験から)

398 字

貴学看護学部を志望するのは、感染を防ぐ行動を患者さんが続けられるよう支える看護師になりたいからです。高校2年の冬、学級閉鎖が続いたため、保健委員として手洗いを呼びかけました。毎週記録した石けんの使用量は約1.5倍に増えましたが、欠席者はほとんど減りませんでした。洗い残しが光る道具で希望者20人を調べると、15人の指先に汚れが残っていました。回数だけでなく洗い方まで伝えなければ、行動は変わらないと気づきました。貴学を選んだのは、『△△感染看護学』で感染予防の根拠と、患者さんに伝わる指導の方法を学べるからです。子どもや高齢者への手洗い指導を研究されている〇〇教授のもとで学べることも、大きな理由です。入学後は看護の基礎技術を一つずつ確実に習得し、臨地実習では、患者さんが自分で続けられる感染予防の伝え方を工夫します。保健委員として始めた取り組みを、第一志望の貴学で看護の学びへと深めていきます。

400字・校内選考用(看護学部)

この例文のポイント

  • 石けんの使用量は増えたのに欠席者は減らなかった、という思いどおりにいかない結果から書いています。次に洗い残しを調べた行動が、気づきの裏づけです。
  • 志望学部を1文目の主語に置く書き出しです。看護学部は多くの大学にあるため、志望校を選んだ理由は授業と教授の研究の2点で示しています。
  • 段ごとの字数は、目標50字、高校での学び156字、志望校を選んだ理由95字、入学後58字、締め39字です(合計398字)。

※ 上記は例文です。活動の内容や数字は架空のものです。授業名の△△と教員名の〇〇は、シラバスや大学のサイトで調べた名前に置き換えてください。

校内選考用と出願用の志望理由書の書き分け

指定校推薦では、志望理由書を校内選考と大学への出願で2回求められることがあります。2つの文章は、目標と志望の理由をそろえたまま、読む人に合わせて書き方を変えます。

読む人担任や進路指導の先生など、高校の先生方(選考の方法は高校ごとに異なります)志望校の教員など、選考を担当する人
読み手がすでに知っていること評定や出欠、授業・委員会・部活動での様子調査書と推薦書に書かれていることだけ
読み手が確かめたいこと第一志望として入学する意思があるか、学部の学びを理解しているか、推薦にふさわしい学びを続けてきたか学部の教育内容を理解しているか、入学後の学びが具体的か、ほかの書類と食い違いがないか
書き方の重点先生方が知っている授業や活動とつなげて書き、第一志望であることを一言で示します体験の経緯と数字、志望校の授業や研究の名前、学年ごとの計画を加え、初めて読む人にも伝わるように書きます
字数・様式高校が決めます。志望理由書を求めず、評定や面接で選ぶ高校もあります募集要項で指定されます(所定用紙、Web出願の入力欄など)
提出後の使われ方校内選考の資料になり、推薦書を書く先生が参考にすることもあります選考の資料になり、面接が行われる場合は質問の材料にもなります

校内選考用から出願用に書き直すときは、将来の目標、高校での学び、志望校を選んだ理由の3つは変えずに、字数と説明の細かさを調整します。目標の言葉が変わると、推薦書や面接での答えと合わなくなるからです。400字を800字に広げるなら、増えた字数は体験の経緯と数字、残った疑問、志望校の授業や研究の説明、学年ごとの計画に回します。例文1と例文2は、同じ生徒がこの手順で書いたものです。出願用のほうが短いときは、体験の経緯から削ってください。

校内選考の用紙で「指定校推薦を希望する理由」を尋ねられることもあります。その場合は、第一志望で合格したら入学すること、その大学で学びたい授業や研究があること、高校で積み重ねた学習や活動を生かせることの3点を書きます。「一般選抜より早く決まるから」「推薦枠が空いていたから」だけでは、推薦する理由になりません。

【例:指定校推薦を希望する理由】貴学経営学部は私の第一志望であり、合格した場合は必ず入学いたします。生徒会の調査で残った「欲しいという声と実際に買う行動の差」を、『△△マーケティング調査演習』で確かめたいと考えております。数学の授業で身につけたデータの分析と、生徒会での調査の経験を貴学での学びに生かしたく、指定校推薦を希望いたします。

  • ※ 校内選考で何を提出し、どう選ぶかは高校によって違います。進路指導の先生から配られる案内で確かめてください。

字数別の構成と配分(400字・600字・800字)

字数が変わっても、5つの段の順番は変わりません。指定校推薦では、どの字数でも「志望校を選んだ理由」に全体の4分の1ほどを充てるのが目安です。

字数は目安です。例文1〜4の段ごとの実際の字数は、各例文のポイントに載せています。
将来の目標と志望学部約50字(1文)約60字(1文)約80字(1〜2文)誰のどんな課題に関わりたいかと、志望学部の名前
高校での学びと気づき約150字約210字約290字授業や活動の場面、数えた数字、分かったことと残った疑問
志望校を選んだ理由約100字約160字約220字授業・ゼミ・研究室・実習から1〜2つと、そこで確かめたいこと
入学後の学び約60字(1文)約110字約140字学年ごとに学ぶ順番と、入りたいゼミや研究室
締め約40字(1文)約60字約70字冒頭の目標に戻り、学び続ける意思を言い切る一文

400字の配分は、5つの段を1〜2文ずつで書く前提です。目標と志望学部は1文で約50字、高校での学びは場面を1つに絞って約150字にします。志望校を選んだ理由に約100字と多めに取るのは、推薦枠以外の理由を授業や研究の名前で示すためです。残る約100字を入学後の学び(約60字)と締め(約40字)に分けます。目標と締めの2文を先に書き、間の3つの段を約300字で埋めると、字数を調整しやすくなります。

600字と800字では、増えた字数を体験を増やすことではなく、1つの体験を深く書くことに使います。600字なら、400字では省いた経緯と残った疑問を足し、800字なら志望校の理由を授業と研究の2つに広げて、入学後の学びを学年ごとに書きます。字数の指定があれば9割以上を目標にし、上限は超えないでください。

書けないときの材料集め(答えられる8つの質問)

志望理由書が書けないときは、文章の力より先に、材料が足りていないことがほとんどです。次の8つの質問に1行ずつ答えると、5つの段に入れる材料がそろいます。

高校の授業で、テストの範囲を超えて調べたくなったことはありますか?化学の中和滴定で、班ごとに結果がずれた理由(例文3)高校での学びと気づき
委員会や部活動、生徒会で、自分から提案して変えたことはありますか?全校アンケートをもとにした、自動販売機の品ぞろえの見直し(例文1・2)高校での学びと気づき
そのとき、数えたり測ったりした数字はありますか?石けんの使用量が約1.5倍、20人中15人に洗い残し(例文4)高校での学びと気づき
うまくいかなかったことや、分からずに残ったことはありますか?要望の多かった飲み物が、実際にはあまり売れなかったこと高校での学び→志望校を選んだ理由
志望校のシラバスで、もっと知りたくなった授業はどれですか?同じ試料をくり返し測り、ばらつきを評価する分析化学の実験志望校を選んだ理由
同じ学部がある大学と比べて、志望校にしかないものは何ですか?調査での回答と実際の購買行動のずれを研究している教授のゼミ志望校を選んだ理由
卒業後、どこで、誰のために働いていたいですか?食品メーカーで、買う人の声と売れ行きを確かめて商品を企画する仕事将来の目標と志望学部
合格したら、入学までに何を準備したいですか?統計学の入門書を読み、1年次の授業に備えること入学後の学び・締め

答えは1行で構いません。数字が入った答えや、うまくいかなかった答えほど、志望理由書の中で生きます。思い出せないときは、担任や教科の先生に授業や委員会での様子を尋ねたり、ノートや部活動の記録を見返したりしてください。

志望校のシラバスを読んでも、学びたい授業が1つも見つからない場合は、その学部が自分に合っているかを先生と話し合う機会にしてください。指定校推薦は合格したら入学するのが一般的で、卒業までの年月をその学部で過ごすことになるからです。

指定校推薦で落ちる可能性と防ぎ方

指定校推薦は、校内選考を通れば多くの人が合格するといわれますが、合格が約束されているわけではありません。落ちたり推薦が取り消されたりする場面は、校内選考、大学の選考、出願後から入学までに分けて考えられます。

校内選考希望者が推薦枠を上回ると、評定平均・欠席日数・志望理由書・面接などで比べられ、選ばれないことがあります。評定平均などの条件を満たしていなければ、選考の対象になりません指定校の一覧が示されたら推薦の条件を確かめ、志望理由書では第一志望である理由を授業や研究の名前で示します
大学の書類審査提出書類の不足や記入漏れ、期限への遅れといった不備は、選考で不利になるおそれがあります募集要項の提出書類を一覧にして先生と確かめ、すべての書類のコピーを取ってから提出します
大学の面接・小論文など志望理由書に書いた内容を説明できなかったり、学部の学びを理解していないと受け取られたりすると、評価が下がります一文ごとに「なぜそう考えたのか」を答えられるようにし、志望校の授業や研究を自分の言葉で説明する練習をします
出願後から入学まで成績が大きく下がる、欠席が増える、校則違反や問題行動があるといった場合、推薦や合格が取り消されることがあります。卒業できなければ入学もできません合格後も授業と出席の姿勢を変えず、大学から入学前の課題が出たら期限までに取り組みます

2027年度入試に適用される文部科学省の実施要項では、学校推薦型選抜でも、合否の判断に調査書や推薦書などの書類以外の方法を加えることになっており、例として小論文、口頭試問、教科のテストなどが挙げられています。面接も原則として行うこととされていますが、高校と大学が連携し、合格したら入学することを確約して受ける非公募型の推薦では、面接を行うかどうかを大学が判断できます。一般的な指定校推薦はこの形にあたり、面接がない場合も、志望理由書は判断の資料になります。

志望理由書そのものが原因になりやすいのは、ほかの書類や面接での答えと食い違っている場合です。以前に別の志望校向けに書いた文章を使い回すと、大学名や授業名が残ってしまうことがあります。誤字や字数の不足とあわせて、提出前に必ず確かめてください。

推薦枠は、高校と大学の信頼関係のうえに成り立っています。指定校推薦は合格したら入学するのが原則で、合格後の辞退や入学までの問題行動は、翌年以降の後輩の推薦枠に影響するおそれがあると説明する高校もあります。推薦が決まった後も、高校生活の過ごし方は変えないでください。

  • ※ 出典:文部科学省の『令和9年度大学入学者選抜実施要項』第3の1(3)・第4の5(2027年度入試に適用)。
  • ※ 合否の基準や、推薦・合格を取り消す場合の扱いは、大学と高校によって異なります。募集要項と高校の案内で確かめてください。

提出までの流れ(志望理由書はいつまでに書くか)

締切を決めるのは、校内選考用なら高校、出願用なら志望校です。全体の流れをつかんでおき、締切から逆算して書き始めてください。

校内選考の前(指定校の一覧が示されたら)推薦の条件と募集要項を確かめ、志望校を絞ります志望校の授業や研究を調べ、8つの質問で材料を集めて下書きを書きます
校内選考(時期と方法は高校ごとに異なります)校内用の書類を提出し、面接などを受けます校内選考用を清書して提出します。出す前にコピーを取ります
推薦が決まった後志望校の募集要項で、様式・字数・締切・出願の方法を確かめます出願用に書き直し、先生に読んでもらって直す流れを2〜3回くり返します
出願(2027年度入試は2026年11月1日以降)出願書類をそろえて提出します。Web出願と郵送の組み合わせなど、方法は大学ごとに異なります清書や入力を終えたら、提出する前にコピーを取ります
大学の選考(日程は大学ごとに異なります)面接・小論文・口頭試問など、志望校が定めた選考を受けますコピーを読み返し、一文ごとに理由を説明できるようにしておきます
合否発表(2026年12月1日以降)と合格後入学手続きを行い、大学から課題が出ればそれに取り組みます志望理由書に書いた入学後の学びに向けて、準備を始めます

国の実施要項は、学校推薦型選抜の出願の受付を11月1日以降、合否の発表を12月1日以降で、原則として一般選抜の試験期日の10日前までと定めています。指定校推薦の校内選考はそれより前に行われ、時期は高校によって違います。校内選考用の志望理由書をいつまでに出すのかは、指定校の一覧が示される時期とあわせて、担任や進路指導の先生に早めに確かめてください。

出願用の志望理由書は、推薦が決まってから出願までの短い期間で仕上げることになりがちです。先生の添削は戻るまでに数日かかることもあるため、校内選考用を書いた時点で、出願用の字数に合わせた下書きも作っておくと慌てずに済みます。

  • ※ 出典:文部科学省の『令和9年度大学入学者選抜実施要項』第4の5。
  • ※ 出願期間や選考日、合格発表日は大学ごとに異なるため、志望校の募集要項で確かめてください。指定校推薦の募集要項は一般に公開されず、高校に届くことがあります。

指定校推薦の志望理由書の書き出し(3つの型)

  1. 一

    目標先行型(将来の目標と志望学部を1文目に置く)

    私は将来、外国から来た子どもが授業の言葉でつまずかないよう支える小学校の教員になりたいと考え、貴学教育学部を志望いたします。

    読み手が最初に知りたい「何を学びたい人なのか」に1文目で答える型です。校内選考用にも出願用にも使え、400字の短い欄でも字数の無駄が出ません。

  2. 二

    授業起点型(高校の授業で生まれた疑問から書き出す)

    高校2年の世界史の授業で、同じ戦争が国によって違う名前で呼ばれていると知り、歴史がどの立場から書かれているのかを学びたいと考えるようになりました。

    評定に表れている教科から書き出すため、調査書の記録と志望理由書の中身がつながります。2文目で、将来の目標と志望学部に必ず着地させてください。

  3. 三

    継続起点型(高校1年から続けてきたことから書き出す)

    高校1年の春から続けてきた花壇の水やりで、同じ品種の花でも、日の当たる時間によって咲く時期が10日以上ずれることに気づきました。

    長く続けたことは、校内選考の先生方が知っている事実なので、誇張せずに書けます。期間は「3年間」ではなく「高校1年から」と書くと、3年生の秋に出す書類でも食い違いません。

指定校推薦の志望理由書の締め(3つの型)

締めでは冒頭の目標に戻り、高校で続けてきたことを入学後にどう続けるかを1〜2文で言い切ります。推薦へのお礼や「精一杯頑張ります」だけで終えると、何を学ぶ人なのかが伝わりません。締めの3要素、型6つ、字数別の長さ、NG例と書き直しは、締め方のページで解説しています。

  1. 一

    継続型(高校で続けたことを大学の学びにつなげる)

    高校1年から続けてきた花壇の観察を出発点に、植物が光の条件に合わせて育ち方を変える仕組みを、貴学農学部で研究していきます。

    本文で書いた活動の名前をそのまま使い、高校の学びが入学後も途切れないことを示します。専願が一般的な指定校推薦で、特に伝わりやすい締めです。

  2. 二

    準備型(入学までの準備で、学び続ける意思を示す)

    入学までの期間も、辞書を引きながら英語の論文を読む練習を続け、1年次の『△△基礎演習』から研究の方法を身につけていきたいと考えております。

    合格から入学までに時間がある指定校推薦ならではの締めです。準備の中身は、志望校の授業につながる具体的なものに絞ります。

  3. 三

    呼応型(書き出しの目標の言葉で閉じる)

    外国から来た子どもが授業の言葉でつまずかないよう支える教員になるため、貴学教育学部で学び続けたいと考えております。

    書き出しの目標をそのまま締めに使う型で、400字でも1文に収まります。校内選考用と出願用で同じ締めの言葉を使えば、2つの書類の目標が自然にそろいます。

志望理由書の締め方・終わり方|最後の締めの例文と型6つ →

よくある質問

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