デザイン学科・総合型選抜(日本語教室の小学生のために作り直した持ち物表から)
私は将来、学校や自治体が配る案内物を、言葉が通じにくい人にも伝わる形に設計するデザイナーになりたいと考えております。そのために視覚伝達デザインを学びたく、貴学デザイン学科を志望いたします。高校1年から手伝っている地域の日本語教室に、学校から配られるお便りを読めず、忘れ物を重ねている小学3年の女の子がいました。私はお便りの文章から持ち物を拾い出し、曜日ごとの枠と絵記号で示す週間表に作り直しました。絵記号は12個を描き分け、曜日ごとに枠の色を変えて、冷蔵庫に貼れる大きさにまとめました。毎週の教室で忘れ物の回数を尋ねて記録すると、表を使う前の4週間は9回、使い始めてからの4週間は3回でした。ところが、残る3回のうち2回は上履きでした。お母様に伺うと、前に住んでいた国の学校には室内で履き替える習慣がなく、私の描いた靴の絵を、外で履く靴のことだと受け取っていたと分かりました。形を分かりやすく描いても、見る人がその物を知らなければ伝わらないのです。そこで、上履きの絵の横に、昇降口で靴を履き替える場面を描き足すと、その後の4週間で忘れ物は1回になりました。生活の習慣が違う人にも同じ意味で伝わる形は、どうすれば作れるのか。貴学を選んだのは、1年次の『△△演習』で色と形の基礎を学んだうえで、2年次から視覚伝達デザインを専攻でき、試作を使う人に見てもらいながら改良する授業があるからです。また、〇〇教授が研究されている公共の場の案内表示は、私の問いと重なります。ポートフォリオには、2つの版の週間表と、版ごとに数えた忘れ物の回数を載せました。入学後は色彩と文字の組み方を学び、4年次の卒業制作では、日本語を学び始めた家庭でも迷わずに読める学校のお便りのひな形を、教室の親子と一緒に作る計画です。言葉の違いで忘れ物を重ねる子どもを減らすため、貴学で視覚伝達デザインを学びたいと考えております。
800字・総合型選抜(デザイン学科)
この例文のポイント
- 忘れ物が9回から3回、さらに1回へと減った記録を版ごとに残しており、作ったものが伝わったかどうかを自分で確かめたことが分かります。
- 上履きの絵が伝わらなかった理由をその子の家族に尋ね、形の分かりやすさだけでは届かないという気づきを、視覚伝達デザインで答えたい問いにしています。
- ポートフォリオに載せた週間表と本文の内容をそろえ、案内物のデザイナーという進路と卒業制作の計画まで、総合型選抜の面接で一続きに話せる構成にしています。