国際・外国語学部の志望理由書

国際学部・外国語学部の志望理由書の書き方と例文3本

国際学部と外国語学部の志望理由書を、両学部の違いを踏まえて書き分けるためのページです。国際学部は国際的な課題を複数の学問から考え、外国語学部は専攻する言語と、その言語が話される地域を深く学ぶのが一般的です。「英語が好き」を学びたいことに言い換える方法、800字・600字・400字の例文3本、よくあるNGと書き直し例、留学経験や英語資格の扱いまで順に説明します。

国際・外国語学部の志望理由書を3ステップで書く

  1. 1.国際学部・外国語学部の志望理由書は、「英語が好き」という気持ちを、学びたい言語・地域・国際的な課題のどれかに言い換えるところから始めます。
  2. 2.志望理由書のきっかけの段では、学びたい言語や国際的な課題に出会った体験を1つに絞り、疑問を持って調べ、分かったことまで書きます。
  3. 3.入学後の計画は、専攻語の習得、地域研究や国際関係の科目、留学やフィールドワークを年次順に並べ、志望理由書の冒頭に掲げた目標に戻って締めます。

このページが向いている人:国際学部・外国語学部の総合型選抜や学校推薦型選抜に出願する高校生のほか、「英語が好き」という気持ちを志望理由にまとめきれない人、英語以外の言語を専攻したい人、留学経験がなく何を書けばよいか迷っている人に向けたページです。

国際・外国語学部の志望理由書で見られる3つのこと

国際・外国語学部の志望理由書で読み手が確かめたいのは、語学が得意かどうかよりも、その学部で何を学び、卒業後にどう生かすつもりなのかです。

01

「英語が好き」を学びたいことに言い換えているか

国際・外国語学部を目指すきっかけが「英語が好き」「海外に興味がある」であるのは自然なことです。ただ、そのまま書いても、大学で何を学ぶのかは読み手に伝わりません。好きになった理由をたどり、特定の言語を深めたいのか、ある地域の社会や文化を知りたいのか、貧困や環境のように国境を越える課題を考えたいのかを見極めてください。言語・地域・課題のどれを学びたいのかが決まれば、国際学部と外国語学部のどちらが自分に合うかも見えてきます。

02

その言語・地域・課題を選んだ理由が将来像とつながっているか

学びたいことが決まったら、数ある言語や地域、課題の中からなぜそれを選んだのかを説明します。英語以外の言語なら、その言語に触れた場面や、その地域と自分の生活が交わった出来事を1つ挙げると、選んだ理由に重みが出ます。そのうえで、卒業後にその言語や知識をどこで使いたいのかを示してください。職業名が決まっていなくても、「観光の現場で」「国際協力の分野で」のように関わりたい場面を書けば、学びと将来像のつながりが読み手に見えます。

03

入学後の学びを専攻語・専門科目・留学で組み立てているか

入学後の計画では、語学の習得、専門科目での学び、留学やフィールドワークを、どの年次にどう組み合わせるかを書きます。外国語学部なら、専攻語をどこまで伸ばし、その言語を使って何を研究するのかを示します。国際学部なら、国際関係論や開発経済学などの科目で何を考え、どの地域を事例にするのかを書きます。留学は目的ではなく研究の手段として位置づけ、現地で何を調べるのかまで書いてください。留学の制度や時期は大学ごとに違うため、学部案内やカリキュラムで確かめます。

国際・外国語学部の志望理由書 例文3本

外国語学部スペイン語学科(総合型選抜)、国際学部(学校推薦型選抜)、外国語学部英語学科(一般選抜)の例文です。外国語学部の2本は専攻する言語を、国際学部の1本は国際的な課題を志望理由の軸にしています。

1

外国語学部スペイン語学科・総合型選抜(観光パンフレットの誤訳に気づいた経験から)

800字・総合型選抜
私は将来、観光の現場でスペイン語圏から訪れる人と地域をつなぎ、言葉だけでなく文化まで伝わる案内をつくりたいと考えております。そのためにスペイン語と中南米の地域研究を学びたく、貴学外国語学部スペイン語学科を志望いたします。きっかけは、高校1年から続けている地元の観光案内ボランティアです。2年の夏、英語で案内したメキシコからの家族が、町のスペイン語版パンフレットを見て笑い出しました。「お盆の時期は混み合います」の「お盆」が、食器を運ぶ盆の意味で訳されていたのです。観光協会に尋ねると、機械翻訳で作り、確かめられる職員もいなかったそうです。そこで市の国際交流協会のスペイン語通訳の方にお願いし、説明文20か所を一緒に点検しました。明らかな誤訳は4か所でしたが、「縁日」や「七夕」をローマ字で書いただけで、何の行事かを説明していない箇所が9か所もありました。誤訳でなくても、相手の文化にない物事は説明を添えなければ伝わらないと分かりました。英語の案内は整っているのに、スペイン語は確かめる人さえいないという差も知りました。貴学を選んだのは、1年次から少人数の『△△演習』でスペイン語を集中的に学び、2年次から『△△地域研究』で中南米の歴史と社会を学べるからです。また、〇〇教授が日本文化をスペイン語圏に紹介する際の翻訳を研究されており、パンフレットで抱いた疑問をそのまま研究の対象にできます。入学後は1年次に文法と発音の基礎を固め、2年次は地域研究でメキシコの社会と観光を学びます。3年次は協定校に留学し、現地の人が日本の何に関心を持つかを聞き取ります。4年次の卒業論文では、日本の行事をスペイン語でどう説明すれば伝わるかを研究したいと考えております。「お盆」がどんな行事かをスペイン語で伝えられる人になり、訪れる人と地域をつなぐため、貴学外国語学部で学びたいと考えております。

※ 上記は例文です(787字)。教授名・授業名・エピソードはご自身の情報に書き換えてください。

この例文のポイント

  • 誤訳を笑い話で終わらせず、観光協会に確かめ、20か所を点検した結果を数字で示しています。疑問から発見までの流れが明確です。
  • 英語の案内はあるのにスペイン語は確かめる人もいないという気づきが、英語以外の言語を専攻する理由になっています。
  • 演習・地域研究・留学・卒業論文を年次順に並べ、すべてを「日本の行事をどう伝えるか」という1つの問いに向けています。
2

国際学部・学校推薦型選抜(模擬国連で答えられなかった問いから)

600字・学校推薦型選抜
私は将来、途上国の生産者が公正な対価を得られる貿易の仕組みづくりに国際協力の分野で関わりたいと考え、貴学国際学部を志望いたします。きっかけは、高校2年の模擬国連でカカオの生産国ガーナの大使を務め、児童労働の議題に取り組んだことです。調べると、収入が低く、子どもも働き手にならざるを得ない農家があると分かりました。スーパー2店でチョコレート46品を確かめると、フェアトレードの認証マーク付きは2品だけでした。会議では認証品の購入を増やすべきだと訴えましたが、他国の大使役に「それで農家の収入はどれだけ増えるのか」と問われ、答えられませんでした。児童労働は貿易のルールや生産国の政治、消費者の選択が重なって起きており、一つの学問では答えが出ないと気づきました。貴学では、1年次の『△△入門』で国際関係論・開発経済学・文化人類学を横断して学べます。また、西アフリカの農村の暮らしを研究されている〇〇教授のもとで、農家の収入をめぐる問いを深められます。入学後は1年次に経済学の基礎と英語で資料を読む力を固め、2年次は『△△フィールドワーク』で国際協力の現場を訪ねます。3年次からは〇〇教授のゼミで、認証制度が生産者の収入に与える影響を研究したいと考えております。模擬国連で答えられなかった問いに根拠を持って答え、生産者が公正な対価を得られる仕組みをつくるため、貴学国際学部で学びたいと考えております。

※ 上記は例文です(596字)。教授名・授業名・エピソードはご自身の情報に書き換えてください。

この例文のポイント

  • 模擬国連で反論に答えられなかった場面を正直に書き、一つの学問では答えが出ないという気づきが、国際学部を選ぶ理由になっています。
  • スーパー2店・チョコレート46品という自分で確かめた数字があるため、身近な売り場と国際的な課題のつながりが具体的に伝わります。
  • 英語は資料を読むための手段として計画に入れ、語学そのものではなく課題の研究を学びの中心に置いています。
3

外国語学部英語学科・一般選抜(児童書の旧訳と新訳の読み比べから)

400字・一般選抜
私は将来、英語の児童書を日本の子どもが自然に読める言葉で届ける翻訳者になりたいと考え、貴学外国語学部英語学科を志望いたします。高校2年の多読の授業で読んだ英語の物語を、図書館で旧訳と新訳の2冊と読み比べると、主人公の一人称が「ぼく」と「おれ」に分かれていました。訳者あとがきを読むと、一方は主人公の幼さを、もう一方は負けず嫌いな性格を重く見て訳語を選んでいました。原文の「I」は同じでも、訳者の読み方で人物像が変わると知り、英語が好きなだけでは訳せないと気づきました。貴学では『△△翻訳演習』で訳文を検討し合い、〇〇教授のもとで英語と日本語の対照研究を学べます。入学後は1年次に英語の運用力を高め、2年次から英語学と翻訳論を学び、3年次のゼミで一人称の訳し分けを研究したいと考えております。「I」一語の訳に責任を持てる翻訳者となるため、貴学で学びたいと考えております。

※ 上記は例文です(384字)。教授名・授業名・エピソードはご自身の情報に書き換えてください。

この例文のポイント

  • 「英語が好き」で止まらず、一人称の訳し分けに気づいて訳者あとがきで理由を確かめ、翻訳という目標につなげています。
  • 演習名・教員の研究分野・年次ごとの計画・ゼミの研究テーマを、400字の中でも落とさずに入れています。
  • 冒頭の翻訳者という目標と、締めの「I」一語の訳に責任を持つという言葉が呼応し、短くても筋が通っています。

国際・外国語学部の志望理由書でよくあるNG

NG

「英語が好き」「海外旅行が楽しかった」で終わる

好きな気持ちや旅行の思い出は出発点として大切ですが、それだけでは大学で何を学びたいのかが伝わりません。国際・外国語学部には英語が好きな受験生が大勢集まるため、読み手は、好きになった先で何を知りたくなったのかを探しながら読んでいます。

書き直し例

「英語が好き」で止めず、「洋楽の歌詞を訳すうちに、英語の時制の感覚を日本語でどう表せばよいのか知りたくなりました」のように、好きの先に生まれた問いまで書きます。

NG

「グローバルに活躍したい」「国際的な視野」で済ませる

国際系の学部の志望理由書で特に多い言葉ですが、どちらも具体的に何をするのかを示していません。どの地域で、誰と、何をするのかが書かれていないと、面接で「具体的には?」と聞かれた時点で話が続かなくなります。本文で根拠を示せない言葉は使わないほうが安全です。

書き直し例

「グローバルに活躍したい」は、「東南アジアの農村で、住民の収入につながる事業に関わりたい」のように、地域と仕事の中身に置き換えます。

NG

留学することが目的になっている

「留学制度が充実しているから」は、国際・外国語学部の志望理由としてよく見かけます。しかし留学制度はほかの大学にもあることが多く、それだけではその大学を選ぶ理由になりません。留学先で何を調べ、帰国後の学びにどうつなげるのかが書かれていないと、留学すること自体が目標に見えます。

書き直し例

「3年次の留学では、現地の小学校で英語がどう教えられているかを観察し、帰国後の卒業研究に生かしたいと考えております」のように、留学の目的と帰国後の使い道まで書きます。

NG

資格のスコアを並べるだけで、学びたいことがない

英検の級やTOEFLのスコアは、語学を続けてきた証拠にはなりますが、志望理由そのものではありません。スコアの紹介に字数を使うと、大学で何を学ぶのかを書く余白がなくなります。スコアは証明書などの別の書類で提出する場合もあるため、本文では学びとのつながりだけを書きます。

書き直し例

「英検準1級を取得しました」で終えず、「二次試験の面接で自分の意見を英語で述べる難しさを知り、議論する力を大学で伸ばしたいと考えました」のように、学びにつなげます。

NG

国際学部にも外国語学部にも当てはまる内容になっている

「英語を生かして国際社会で働きたい」のような文は、どちらの学部に出しても通用してしまい、その学部を選んだ理由が伝わりません。国際学部なら国際的な課題をどの学問から考えたいのか、外国語学部ならどの言語と地域をなぜ深めたいのかを、少なくとも1文は書き分けてください。

書き直し例

国際学部なら「貧困の問題を経済学と文化人類学の両面から考えたい」、外国語学部なら「インドネシア語を学び、現地の言葉で農村の暮らしを調べたい」のように、学ぶ対象を学部に合わせます。

よくある質問

Q. 国際学部と外国語学部は、志望理由書でどう書き分けますか?

多くの大学で、国際学部は国際社会の課題を政治・経済・文化など複数の学問から考える学部で、語学は学びの手段という位置づけです。外国語学部は、専攻する言語そのものと、その言語が話される地域の文化や社会を学ぶ学部です。国際学部に行く理由を書くなら、取り組みたい課題とそれを考える学問を軸にします。外国語学部なら、選んだ言語と地域、それを選んだ理由が軸です。実際の科目は大学ごとに違うため、カリキュラムを確かめてから書き分けてください。

Q. 留学経験がなくても、国際・外国語学部の志望理由書は書けますか?

書けます。志望理由書で見られるのは海外に行った経験の有無ではなく、何に疑問を持ち、どう調べ、大学で何を学びたいと考えたかです。地域の観光案内、姉妹校とのオンライン交流、授業で読んだ英文記事、身近な売り場で見つけた輸入品など、国内でも言語や国際的な課題に触れる場面はあります。留学経験がある人も、行ったこと自体ではなく、そこで生まれた問いを中心に書いてください。

Q. 英検などの資格のスコアは、志望理由書に書くべきですか?

英語の資格やスコアを出願の条件にしたり、得点に換算したりする大学もあるため、まず募集要項で扱いを確認してください。証明書を別に提出する場合は、志望理由書の本文で繰り返す必要はありません。本文で触れるなら、スコアを並べるのではなく、その学習で気づいたことと、大学で伸ばしたい力につなげて1文で書きます。

Q. 英語以外の言語を専攻したい理由は、どう書けばいいですか?

その言語に出会った場面と、その言語でなければ届かない人や地域を書くと、英語ではなくその言語を選ぶ理由がはっきりします。たとえば「英語の案内は整っているのに、スペイン語の案内は確かめる人さえいなかった」という気づきは、専攻語を選ぶ理由として十分に成り立ちます。入学前に学習を始めていなくても書けますが、すでに始めているなら、独学で分からなかった点を挙げると、大学で学ぶ意味が伝わります。

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