物理学科・総合型選抜(冷凍庫で凍らなかったペットボトルの水から)
水は0℃で凍ると習ったのに、0℃を下回っても凍らずにいる水があるのはなぜか。この問いを、物質の状態が変わる仕組みとして理解するため、貴学理学部物理学科を志望いたします。きっかけは高校1年の冬、冷凍庫で冷やしすぎたペットボトルの水が、取り出して振った瞬間に白く凍り始めたことです。調べると、0℃より低くても液体のままでいる状態を過冷却と呼ぶと分かりました。そこで試験管に精製水を入れ、氷と食塩を混ぜた寒剤で冷やしながら、温度を10秒ごとに記録しました。水は0℃を下回っても凍らず、白く濁り始めると温度は一気に0℃まで上がり、すべて凍るまで0℃のままでした。ところが、同じ試験管と同じ水で20回くり返すと、凍り始めた温度は氷点下2.3℃から7.1℃までばらつきました。温度計を替えて測っても、ばらつきの幅は変わりませんでした。条件をそろえても、凍り始める温度が毎回違うのはなぜか。物理の入門書を読み、凍り始めるには水の中に氷の結晶のもとになる小さな核が生まれる必要があり、それがいつ起きるかは確率で決まると知りました。さらに、無数の分子の動きから凍るという全体の変化を説明する統計力学に出会い、この分野を学ぶことが目標になりました。今は水の量を変えて、凍り始める温度のばらつき方がどう変わるかを調べています。貴学を志望する理由は、温度を精密に制御した測定を2年次の『△△実験』で経験できることと、〇〇教授が、液体が固体に変わり始める過程を研究されていることです。入学後は、微分積分・線形代数と力学・電磁気学を1年次に身につけ、2年次以降に熱力学と統計力学へ進みます。4年次は〇〇教授の研究室で卒業研究に取り組み、大学院に進んで、凍り始める瞬間の仕組みをさらに追究する計画です。冷凍庫で凍らずにいた水の謎を、いつか自分の手で法則として説明できるよう、貴学で物理学を基礎から学びたいと考えております。
800字・総合型選抜(物理学科)
この例文のポイント
- 書き出しを「なぜ0℃を下回っても凍らないのか」という問いにし、理学部が重く見る「なぜ」を最初の一文で示しています。
- 同じ条件で20回測っても凍り始める温度がばらつき、温度計を替えても幅が変わらなかったことを書き、測定の誤差では説明できない問いだと示しています。
- ばらつきの理由を確率と統計力学に結びつけ、水の量を変えて調べ続けている今の取り組みから卒業研究、大学院までを一本の線で描き、総合型選抜の面接で掘り下げやすくしています。