農学科・総合型選抜(祖父の米に増えた白く濁った粒から)
私は将来、県の農業試験場の研究員として、夏の暑さの中でも品質の落ちない米づくりの技術を開発したいと考えております。そのために作物学を中心に学びたく、貴学農学部農学科を志望いたします。きっかけは、祖父の田んぼでとれた米に、白く濁った粒が増えたことです。猛暑だった一昨年、祖父の米は検査で等級が下がりました。玄米を100粒ずつ5回数えると、白く濁った粒は平均23粒ありました。調べると、これは白未熟粒と呼ばれ、穂が出た後に暑い日が続くと粒の中にでんぷんが詰まりきらず、すき間で光が散るために白く見えると分かりました。そこで高校2年の春から、同じ品種の苗をバケツ6個で育て、田植えの時期を5月上旬と6月中旬に3個ずつ分けました。穂が出たのは7月末と8月下旬で、白未熟粒は100粒あたり平均24粒と7粒でした。実が育つ時期を暑さの盛りから外すと、数は3分の1以下に減ったのです。ところが祖父に結果を見せると、「この辺りは田に水を引く時期を地区でそろえているから、一軒だけ遅らせるのは難しい」と言われました。田植えの時期は、稲の都合だけでは決められなかったのです。暑さを避ける作り方と暑さに強い品種を、地域の条件に合わせてどう組み合わせればよいのか。この問いに、稲の体の仕組みと栽培の両面から取り組みたいと考えました。貴学を選んだのは、1年次から附属農場の『△△実習』で、稲を田植えから収穫まで自ら育てられるからです。また、〇〇教授の研究テーマである、穂が出た後の高温が米の品質に与える影響は、私の問いと深く重なります。入学後は作物学と植物生理学の基礎を固め、4年次は〇〇教授の研究室で、暑い夏でも米粒にでんぷんがしっかり詰まる栽培の条件を研究する計画です。祖父の米を1粒ずつ数えた日から始まった問いを、地域の田んぼで暑さに負けない米づくりにつなげるため、貴学農学部農学科で学びたいと考えております。
800字・総合型選抜(農学科)
この例文のポイント
- 祖父の米を100粒ずつ数えた結果を出発点に、白未熟粒という現象の名前と、白く見える理由まで自分で調べた過程を書いています。
- バケツで田植えの時期を分けた比較で、白未熟粒が100粒あたり24粒から7粒に減ったことを示し、暑さとの関係を自分の手で確かめています。
- 地区で水を引く時期をそろえているという祖父の言葉から、技術は地域の条件の中で使われるという視点を示し、総合型選抜の面接で深めやすい問いにしています。