経済学部・総合型選抜(地元の路線バスの減便を探究学習で調べた経験から)
私は将来、自治体の職員として、人口が減る地域でも住民が通学や通院の手段を失わずに暮らせる交通政策に携わりたいと考えております。そのために必要な公共経済学とデータ分析の方法を学びたく、貴学経済学部を志望いたします。きっかけは、高校2年の春、通学に使う路線バスが1日14往復から9往復に減便されたことです。同じバスで通院している祖母は、病院からの帰りに1時間以上待つようになりました。探究学習で減便の理由を調べると、市の資料から、この路線の利用者が10年で約4割減り、市が赤字を補うため年間約2,000万円を支出していると分かりました。校内でこの路線を使う生徒62人にアンケートを取ると、減便の後に家族の送迎へ切り替えた人が3割を超えていました。本数が減ると利用者が減り、利用者が減るとさらに本数が減るという循環が起きていたのです。この問題は、バス会社の経営努力だけでは解決できません。路線を残すために税をどこまで使うのか、運賃収入に表れない通院や通学の価値をどう測るのか。これは地域全体で限られたお金をどう配分するかという、経済学の問いだと気づきました。貴学を志望する理由は、2年次の『△△演習』で、自治体の公開データを使って政策の効果を検証する方法を学べる点です。また、〇〇教授が地方の公共交通への補助の効果を研究されており、探究で残った疑問に、経済学の方法で改めて取り組めると考えました。入学後は、1年次にミクロ経済学と統計学の基礎を固め、2年次は公共経済学と計量経済学に力を入れます。3年次からは〇〇教授のゼミで、減便が住民の外出や家計に与える影響を、市の担当課への聞き取りも交えて研究したいと考えております。バス停で帰りの便を待ち続ける祖母の姿が、私の問いの出発点です。住民が移動の手段を失わずに暮らせる地域を経済学の側から支えるため、貴学経済学部で学びたいと考えております。
800字・総合型選抜
この例文のポイント
- 時刻表の本数、市の資料、生徒62人へのアンケートと、自分で集めた数字から減便の悪循環を示しています。
- バス会社の経営努力では解決できないと書き、経営学ではなく経済学を選んだ理由をお金の配分から説明しています。
- 演習と教員の研究を探究で残った疑問に結びつけ、締めで祖母がバス停で待つ場面に戻して冒頭と呼応させています。