経済学部・経営学部・商学部の志望理由書の書き方と例文3本
経済学部・経営学部・商学部の志望理由書は、3学部の違いを知ったうえで書くと、学部を選んだ理由がはっきりします。経済学は社会全体でお金や資源がどう配分されるか、経営学は企業や組織がどう判断して動くか、商学は商品やサービスが市場で売り買いされる仕組みを主に扱います。このページでは、その違いを志望理由に変える書き方と、学部ごとの例文3本、よくあるNG、職業が決まっていないときの考え方をまとめました。
経済・経営・商学部の志望理由書を3ステップで書く
- 1.経済学部・経営学部・商学部の志望理由書は、関心のある問題を社会全体・組織・市場のどの視点で考えたいかを決め、それを学部を選んだ理由として冒頭に書きます。
- 2.志望理由書に書くきっかけの体験は1つに絞り、時刻表の本数や店の売上など自分で確かめた数字を入れて、疑問、調べたこと、分かったことの順に書きます。
- 3.志望校の授業名や教員の研究分野を挙げて入学後の学びを年次ごとに書き、冒頭の問題に戻って締めると、経済・経営・商学部の志望理由書が一本の筋でつながります。
このページが向いている人:経済学部・経営学部・商学部のどれに出願するか迷っている高校生、総合型選抜や学校推薦型選抜で志望理由書を書く人、なりたい職業が決まらず書き出せない人、面接で「経済学部に行きたい理由」を聞かれたときの準備をしたい人に向けたページです。
経済・経営・商学部の志望理由書で見られる3つのこと
経済学部・経営学部・商学部は、どれもお金や会社を学ぶ学部に見えますが、問題を見る視点が違います。志望理由書では、その違いを理解して学部を選んだことと、関心が自分の体験から出ていることが問われます。
3学部の違いを踏まえて学部を選んでいるか
同じ出来事でも、どの学部で学ぶかによって問いの立て方が変わります。近所のスーパーが閉店したとき、地域の人口や所得の変化、買い物に困る住民を行政がどう支えるかを考えるなら経済学です。その店が採算を保てなかった理由を人や投資の判断から考えるなら経営学、ネット通販や大型店へ客が移った流通の変化を考えるなら商学です。自分の疑問がどの問いに近いかを確かめ、それを学部を選んだ理由として書くと、志望理由書の芯が定まります。
関心の出発点を、自分で確かめた数字で示しているか
経済・経営・商学はいずれも数字を扱う場面の多い学問です。関心の出発点に自分で確かめた数字があると、入学後の学び方まで読み手に想像してもらえます。バスの時刻表の本数、店の1日の売上や来店客数、家計簿の食費、部費の収支など、高校生でも手に入る数字は身近にあります。数字を並べて終わらせず、その数字から生まれた疑問と、調べて分かったことまで書いてください。ニュースで聞いた円安や少子化の話より、身の回りの一つの数字のほうが説得力を持ちます。
学んだことを社会のどこで生かすかまで書けているか
将来の職業が一つに決まっていなくても構いません。問われるのは、4年間の学びを社会のどこで生かしたいかという方向です。自治体で地域の交通や産業を担う、中小企業の経営を支える、会計や金融の専門職に就くなど、関わりたい場と問題を示せば目標として伝わります。そのうえで、1年次の基礎科目、2年次以降の専門科目とゼミ、卒業論文のテーマ案を順に書き、目標へ向かう道筋として示してください。
経済・経営・商学部の志望理由書 例文3本
経済学部は地元の路線バスの減便、経営学部は家業の弁当店の人手不足、商学部は部活動の会計係を題材にした例文です。3本とも、なぜその学部を選んだのかが体験から読み取れるように書いています。
経済学部・総合型選抜(地元の路線バスの減便を探究学習で調べた経験から)
※ 上記は例文です(791字)。教授名・授業名・エピソードはご自身の情報に書き換えてください。
この例文のポイント
- 時刻表の本数、市の資料、生徒62人へのアンケートと、自分で集めた数字から減便の悪循環を示しています。
- バス会社の経営努力では解決できないと書き、経営学ではなく経済学を選んだ理由をお金の配分から説明しています。
- 演習と教員の研究を探究で残った疑問に結びつけ、締めで祖母がバス停で待つ場面に戻して冒頭と呼応させています。
経営学部・学校推薦型選抜(家業の弁当店の人手不足に向き合った経験から)
※ 上記は例文です(596字)。教授名・授業名・エピソードはご自身の情報に書き換えてください。
この例文のポイント
- パートの方が半年で3人辞めた事実から、原因を聞き取りで確かめ、手順の一覧という小さな改善まで書いています。
- 景気や売り方ではなく組織の中の人に関心があると書き、経営学部を選んだ理由を他の2学部と比べて示しています。
- 演習、組織論と人的資源管理、ゼミの研究テーマまでが、弁当店で抱いた一つの問いに向かって並んでいます。
商学部・一般選抜(吹奏楽部の会計係として部費の不足を見直した経験から)
※ 上記は例文です(397字)。教授名・授業名・エピソードはご自身の情報に書き換えてください。
この例文のポイント
- 部員42名、楽譜代が2倍と数字を絞り、原因の発見から決まりの変更までを400字の中で具体的に書いています。
- 表にして示すと部の判断が変わった経験から、会計は人の判断を支えるという学ぶ理由を導いています。
- 公認会計士という目標に、会計を取引や金融とあわせて学べる商学部の特色と、ゼミでの研究を結びつけています。
経済・経営・商学部の志望理由書でよくあるNG
「お金の流れに興味がある」で終わっている
「お金の流れ」は経済学・経営学・商学のどれにも当てはまるため、この一言では学部を選んだ理由になりません。どんな場面で、誰のお金のどんな流れに疑問を持ったのかが書かれていないと、関心の中身が読み手に伝わりません。
「家計簿をつけている母が、同じ食費でも1年前より買える量が減ったと話すのを聞き、物価と賃金の関係を調べ始めました」のように、疑問を持った場面から書きます。
「社長になりたい」「起業したい」だけで学問との接点がない
起業や経営者という目標そのものは問題ありません。ただ、何を事業にし、そのために大学で何を学ぶのかが書かれていないと、大学でなくても目指せる夢として読まれてしまいます。
「高齢の方の買い物を支える移動販売を事業にするため、『△△論』で事業計画と資金の集め方を学びたいと考えております」のように、事業の中身と学ぶ科目を結びます。
円安や少子化など、ニュースの一般論を並べている
「円安で物価が上がっている」「少子化で人手が足りない」といった話は誰にでも書けるため、その人が志望する理由として読まれません。ニュースを取り上げるなら、その影響を身の回りでどう確かめたかまで書く必要があります。
「少子化で人手が不足している」ではなく、「アルバイト先の店では、求人を出しても3か月応募がありませんでした」のように、身近な場面で確かめた事実から書き始めます。
3学部のどれにも通用する内容で、学部を選んだ理由がない
「経済と経営の両方に関心がある」「ビジネスを幅広く学びたい」と書くと、なぜその学部なのかが最後まで分かりません。経済学部と経営学部を併願する場合も、学部ごとに志望理由書の重心を変えてください。
経済学部なら「地域の交通を税の使い道から考えたい」、経営学部なら「バス会社が運転手を確保する仕組みを考えたい」、商学部なら「乗る人を増やす運賃や宣伝の工夫を考えたい」のように、同じ関心でも学部ごとに問いを変えます。
「就職に有利だから」を理由にしている
就職の有利・不利は、入学後に何を学ぶかとは別の話です。就職を理由の中心に置くと、学問への関心がないと受け取られやすく、面接で掘り下げられたときに答えが続きません。
「地元の信用金庫で中小企業の資金繰りを支えたいと考え、商学部で金融と会計を学びたい」のように、就きたい仕事と、そのために学ぶ内容を結びつけて書きます。
よくある質問
Q. 経済学部と経営学部・商学部は志望理由書でどう書き分けますか?
関心のある問題を、どの視点から考えたいかで書き分けます。地域や国全体の政策として考えるなら経済学部、一つの会社や組織の判断として考えるなら経営学部、商品やサービスが売り買いされる市場の仕組みとして考えるなら商学部です。ただし学科の組み方は大学によって異なり、経済学部の中に経営学科がある大学や、商学部で経営や会計を学ぶ大学もあります。志望校のカリキュラムを読み、学びたい科目がどの学部にあるかを確かめてから書いてください。
Q. 将来の職業が決まっていなくても書けますか?
書けます。経済・経営・商学部は、卒業後の進路が一つの職業に決まっている学部ではありません。職業名の代わりに、解決したい問題と関わりたい場を書いてください。「地域の中小企業が人手不足でも続けられる仕組みを考えたい」と書けば、目標として十分に伝わります。そのうえで、入学後に進路を絞るために何を学ぶかを書き添えると、迷っている状態ではなく、学びの計画として読まれます。
Q. 数学が苦手でも経済学部を志望してよいですか?
志望できます。ただし多くの大学の経済学部では、統計学やミクロ経済学などで数式やグラフを使う授業が1年次から始まり、数学を避けて卒業するのは難しいと考えてください。必要な数学の範囲は大学により異なるため、カリキュラムや入学前の課題を確認しましょう。志望理由書に苦手を書く必要はありませんが、「統計を使って地域の課題を確かめたいので、高校の数学を復習しています」のように、数学を学ぶ理由と準備を書けると前向きに伝わります。
Q. 面接で「経済学部に行きたい理由」を聞かれたらどう答えますか?
志望理由書と同じ順序で、1分ほどにまとめて話すのが基本です。最初に目標を1文で述べ、きっかけの体験、経済学部を選んだ理由、入学後に学びたいことの順に続けます。面接では「経営学部ではいけないのですか」「その問題を経済学ではどう考えますか」と掘り下げられることがあります。3学部の違いと、志望理由書に書いた授業の内容を、自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。
他の学部の志望理由書
学部ごとに、見られる観点・例文3本・NG例をまとめています。構成の基本と文系・理系の例文は大学の志望理由書の書き方で確認できます。
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