情報学部の志望理由書

情報学部の志望理由書の書き方と例文3本

情報学部の志望理由書では、パソコンやプログラミングが好きという気持ちを、情報技術で解きたい問題に言い換えることが求められます。あわせて大切なのが系統の見極めです。同じ「情報」の名がつく学部でも、計算機の仕組みを学ぶ情報工学系、社会と情報の関係を扱う社会情報系、表現や使いやすさを扱うメディア・情報デザイン系、データから判断の根拠を引き出すデータサイエンス系では、学ぶ中身が大きく違います。このページでは、系統に合わせた書き方と、系統の違う3本の例文(800字・600字・400字)、NG例の書き直し方を紹介します。

情報学部の志望理由書を3ステップで書く

  1. 1
    情報学部の志望理由書は、「パソコンが好き」「プログラミングが得意」の先にある、情報技術で解きたい身近な問題を1つ見つけるところから書き始めます。
  2. 2
    情報学部を選ぶ理由は、志望校の学部が情報工学・社会情報・メディア・データサイエンスのどの系統に近いかを調べ、自分の問いと重なる点から説明します。
  3. 3
    志望理由書の後半は、数学とプログラミングの基礎、演習やプロジェクト、研究室の順に入学後の学びを書き、技術が社会に与える影響にも触れて冒頭の問いに戻ります。

このページが向いている人:総合型選抜・学校推薦型選抜・一般選抜のいずれかで、情報学部や情報系の学部(情報工学科、社会情報学科、メディア情報学部、データサイエンス学部など)に出願する高校生に向けたページです。「パソコンやゲームが好き」の先が書けない人、志望校の情報学部で何を学ぶのかをつかみきれていない人、文系から情報学部を目指す人に役立ちます。

情報学部の志望理由書で見られる3つのこと

情報学部の志望理由書で読まれるのは、パソコンに詳しいかどうかではなく、情報技術で何を確かめ、何を解決したいかです。次の3点を押さえると、好きなことの紹介で終わらず、情報学部で学ぶ理由が伝わる文章になります。

  1. 一

    「パソコンが好き」を、情報技術で解きたい問題に言い換えているか

    情報学部を志望する人の多くは、パソコンやゲーム、プログラミングが好きなことを出発点にしています。それ自体は自然なきっかけですが、志望理由書で見られるのはその先です。情報技術で誰のどんな困りごとを解きたいのか、どんな仕組みを知りたいのかまで書いてください。好きなゲームなら通信の遅れや画面の作られ方へ、よく使うアプリなら便利さの裏にある設計や個人情報の扱いへと、関心を一段掘り下げると問いになります。家族が操作に迷った画面、学校で手作業のままの集計、地域で公開されているのに使われていないデータなど、題材は身近な場面で十分です。

  2. 二

    志望校の情報学部がどの系統かを調べ、自分の問いと結びつけているか

    「情報」の名がつく学部は、大学によって中身が大きく違います。計算機やソフトウェアの仕組みを学ぶ情報工学・情報科学系、情報が社会や組織でどう使われるかを扱う社会情報・情報マネジメント系、映像やWeb、画面の使いやすさを扱うメディア・情報デザイン系、統計学や機械学習でデータを分析するデータサイエンス系が代表的です。総合情報学部のように、複数の系統を一つの学部にまとめている例もあり、学部名だけでは判断できません。必修科目の一覧と教員の研究分野から系統を確かめ、自分の問いがどの系統の学びと重なるのかを書いてください。

  3. 三

    基礎から研究室までの学びと、技術が社会に与える影響を描けているか

    情報系の学部では、1〜2年次に数学とプログラミングの基礎を学び、演習やチームでのプロジェクトを経て、3〜4年次に研究室やゼミで卒業研究に取り組む流れが一般的です。志望理由書の入学後の計画もこの順序で組み立て、どの基礎を土台に、どの演習で何を作り、どの研究室で何を確かめたいかまで書きます。そのうえで、個人情報の扱いや技術の誤用など、情報技術が社会に与える影響を自分はどう考えるかに一言触れると、技術を使う側の責任まで見ていることを示せます。数学の比重や研究室に入る時期は大学ごとに異なるため、シラバスで確かめてください。

情報学部の志望理由書 例文3本

情報学部の志望理由書の例文として、社会情報学科・メディア情報学部・情報工学科を志望する高校生を想定し、夜間に使えるAEDの調査、病院の受付機で迷った祖父、文化祭の当番表を作るプログラムを題材にした3本を載せています。どの例文も敬体の書き言葉で、大学の呼び方は「貴学」で統一しています。

1

社会情報学科・総合型選抜(夜間に使えるAEDをオープンデータで調べた経験から)

792 字

私は将来、自治体の職員として、行政のデータを住民が暮らしの判断に使える形で公開する仕事に携わりたいと考えております。そのためにデータの扱い方と社会での情報の使われ方を学びたく、貴学情報学部社会情報学科を志望いたします。きっかけは高校2年の夏、町内会の救命講習で、消防署の方に「夜にこの地区で人が倒れたら、どこのAEDを取りに行きますか」と問われ、答えられなかったことです。調べると、市はAEDの設置場所をオープンデータで公開していましたが、214か所の約4割は利用時間が空欄でした。そこで探究学習として、夏休みに各施設へ電話で尋ねて空欄を埋め、地図に示しました。夜10時に使えるのは31か所だけで、私の住む地区から歩いて5分の範囲には一つもないと分かったのです。地図を町内会長に見せると、回覧板で全戸に回していただけました。データは公開するだけでは足りず、必要な人が必要なときに読める形にして初めて役立つと実感しました。ただ、なぜ空欄の多い一覧が生まれ、どう集めれば使えるデータになるのかは分かっていません。これは技術だけの問題ではなく、情報が社会でどう作られ、使われるかを問う社会情報学の課題だと考えております。貴学では、『△△演習』で市町村が公開するデータを自ら整え、地図やグラフにして住民に届けるまでを経験できます。〇〇教授による行政データの公開と活用の研究も、私の疑問に直結すると考えました。入学後は1年次に統計学とプログラミング、2年次に地理情報システムとデータベースを学びます。住民の個人情報に触れる仕事を目指す以上、情報倫理と個人情報保護の授業も重視します。3年次からは〇〇教授のゼミで、住民が使えるオープンデータの公開方法を研究する計画です。「夜にこの地区で人が倒れたら」という問いに、誰もがデータで答えられる地域をつくるため、貴学情報学部で学びたいと考えております。

800字・総合型選抜(社会情報学科)

この例文のポイント

  • 消防署の方の問いに答えられなかった場面から、公開データの空欄に気づき、自分で埋めて地図にするまでを順に追っています。
  • 214か所のうち夜10時に使えるのは31か所という自分で集めた数字が、データは使える形で初めて役立つという気づきを支えています。
  • 空欄が生まれる理由という残った疑問を社会情報学の課題と位置づけ、演習・ゼミ・情報倫理の学びへつなげています。
2

メディア情報学部・学校推薦型選抜(祖父が迷った病院の受付機から)

592 字

私は将来、誰もが迷わず使える画面を設計するデザイナーとして、企業のサービスづくりに携わりたいと考え、貴学メディア情報学部を志望いたします。きっかけは高校2年の夏、祖父の通院に付き添った病院で、再来受付機の前に列ができていたことです。画面には「予約のある方」「検査のみの方」など同じ大きさのボタンが6つ並び、検査も診察もある祖父は押すべきボタンが分からず、手を止めました。待合にいた20分の間にも、職員を呼ぶ人が9人いたのです。情報Ⅰの授業で情報デザインを学んでいた私は、画面を紙に描き直し、ボタンを3つに減らして押す順に番号を振った案を作りました。家族と近所の方6人に試してもらった結果は、元の画面を写した紙で迷った人が4人、私の案では0人です。迷うのは使う人のせいではなく、設計で防げるのだと気づきました。ただ、感覚で作った案なので、迷わなくなった理由を説明できません。貴学を志望するのは、『△△演習』で利用者への聞き取り、試作、評価を繰り返し、設計の根拠を確かめる方法を学べるからです。〇〇教授が、人が画面をどう見て判断するかを研究されている点も、私の関心と重なります。入学後は情報デザインとプログラミングの基礎を学び、3年次からは〇〇教授のゼミで、病院や駅にある端末の画面設計を研究いたします。祖父のように手を止める人をなくす画面を設計するため、貴学で学びたいと考えております。

600字・学校推薦型選抜(情報デザイン系)

この例文のポイント

  • 職員を呼んだ9人、紙の画面で迷った6人中4人という数字で、使いにくさが祖父だけの問題ではないことを示しています。
  • 情報Ⅰで学んだ情報デザインを試した経験を書き、学校推薦型選抜で見られる高校の学びとのつながりを示しています。
  • 感覚で作った案の根拠を説明できないという限界を、聞き取りと評価を繰り返す演習を選ぶ理由に結びつけています。
3

情報工学科・一般選抜(文化祭の当番表を作るプログラムから)

396 字

私は将来、限られた時間で良い答えを出す計算方法を探る研究者を目指し、貴学情報学部情報工学科を志望いたします。きっかけは文化祭の準備で、模擬店の当番表を作るプログラムを書いたことです。38人全員の希望を満たす組み合わせを総当たりで探す処理は、一晩かけても終わりませんでした。組み合わせの数は人数とともに爆発的に増え、計算機の速さでは追いつかないと知りました。希望の少ない人から順に割り当てると数秒で表ができましたが、最善かどうかは説明できません。速さと答えの良さをどう両立するかを、計算の原理から突き詰めたいと考えております。貴学を選んだのは、『△△演習』でアルゴリズムを自ら実装し、計算量を比べながら学べるからです。入学後は離散数学とプログラミングの基礎を固め、4年次に〇〇教授の研究室で組み合わせ最適化を研究いたします。良い答えを速く出す計算方法を探るため、貴学で学びたいと考えております。

400字・一般選抜(情報工学科)

この例文のポイント

  • 総当たりが終わらなかった失敗から、計算機の速さでは補えない組み合わせの増え方という原理の問題を見つけています。
  • 速く解けた方法にも最善かどうか分からないという限界を見つけ、速さと答えの良さの両立という問いを立てています。
  • 400字の中でも、演習と研究室、研究分野を一つずつに絞り、研究者という進路まで一本の筋で書き切っています。

※ 上記は例文です。教授名・授業名・エピソードはご自身の情報に書き換えてください。

情報学部の志望理由書をAIで下書きする →

情報学部の志望理由書でよくあるNG

一NG

「ゲームが好き」「パソコンが得意」で終わっている

好きなことや得意なことは、情報学部を志望するきっかけとして自然です。ただ、それだけでは趣味の紹介にとどまり、大学で何を学びたいのかが伝わりません。好きだからこそ気づいた疑問や、その仕組みについて自分で調べたことまで書くと、情報学部で学ぶ理由に変わります。

書き直し例

「ゲームが好きです」で止めず、「対戦ゲームで通信が遅れると相手の動きが飛んで見える理由を調べ、離れた端末どうしで情報をそろえる仕組みを学びたいと考えました」のように、好きなものの裏にある仕組みへの問いを書きます。

二NG

「IT業界は将来性がある」「AIを作りたい」など、流行の言葉だけで中身がない

IT業界の将来性やAIの広がりは誰にでも書ける話題で、あなたが情報学部を選ぶ理由にはなりません。AIと一口に言っても、画像を見分ける技術、文章を扱う技術、データから予測する技術など中身はさまざまです。どの技術で何をしたいのか、仕組みのどこを学びたいのかまで絞ってください。

書き直し例

「AIを作りたい」ではなく、「手書きの文字を読み取るアプリが、私の書いた『は』を『ほ』と読み違えた理由を知りたくなり、画像から文字を見分ける仕組みを学びたいと考えました」のように、自分が触れた技術の場面から書きます。

三NG

プログラミング言語や資格の名前を並べている

「PythonとJavaScriptが使えます」「ITパスポートに合格しました」と並べても、何を作り、何に苦労し、何を学んだのかは伝わりません。言語や資格は道具や目安であり、志望理由書で見られるのは、それを使って考えた中身です。資格は調査書などで示せる場合もあるため、本文では経験の中身に字数を使います。

書き直し例

「Pythonが使えます」ではなく、「Pythonで家族の家計簿を集計するプログラムを作り、入力ミスを自動で見つける処理を加えるのに3週間かかりました」のように、作ったものと苦労した点を書きます。

四NG

志望校の系統を調べず、技術の話だけ、または社会の話だけを書いている

社会情報系の学部にプログラミングの腕を上げたいという話だけを書く、情報工学系の学科に社会問題への意見だけを書く。どちらも志望校で学ぶ内容とずれているため、学部を調べていないと読まれます。同じ体験を使う場合でも、系統に合わせて問いの向きを変える必要があります。

書き直し例

社会情報学科に出すなら、「アプリを作れるようになりたい」で終わらせず、「地域の連絡がアプリに移ったとき、誰に情報が届かなくなるのかを調べたい」のように、情報と社会の関係に問いを向けます。

五NG

作品や受賞歴の紹介で終わっている

アプリ開発のコンテストでの受賞や、公開した作品の数は、努力の証として価値があります。ただ、成果を並べるだけでは、大学で何を学びたいのかが見えません。作る過程でぶつかった壁や、うまくいかなかった理由を書くと、入学後に学びたいことと自然につながります。

書き直し例

「コンテストで入賞しました」で終えず、「入賞したアプリは利用者が増えると動作が遅くなり、原因がデータの持ち方にあると分かったものの直し方が分からず、データ構造を基礎から学びたいと考えました」のように、成果の先の課題を書きます。

よくある質問

他の学部の志望理由書

学部ごとに、見られる観点・例文3本・NG例をまとめています。構成の基本と文系・理系の例文は大学の志望理由書の書き方で確認できます。

関連ページ

関連ガイド

今すぐ作成

情報学部の志望理由書の下書きを、AIで無料作成

学部名を入れた状態で作成ツールが開きます。目標・きっかけ・志望校の魅力を入力し、下書きを自分の体験で書き直して仕上げてください。