小学校教員志望・総合型選抜(放課後の学習支援ボランティアから)
私は将来、小学校の教員として、子どもが「分からない」と安心して言える教室をつくりたいと考えております。そのために児童理解と授業づくりを学びたく、貴学教育学部を志望いたします。きっかけは、高校1年の秋から続けている児童館での学習支援ボランティアです。週1回、小学生12人の宿題を見る中で、3年生の男の子が算数のプリントを前に鉛筆を止め、声をかけても「大丈夫」としか答えない日が続きました。3週目に理由を尋ねると、「分からないって言うと、みんなに聞こえるから」と小さな声で教えてくれました。気になって教育心理学の本を読むと、助けを求める行動は「援助要請」と呼ばれ、ためらう理由まで研究されていました。そこで問いかけを「分かる?」から「どこまでならできそう?」に変え、手がかりを3段階に分けたヒントカードを机の端に置いて、黙って取れるようにしました。2か月後、その子は自分でカードを取り、「2枚目まで分かった」と言えるようになりました。「分からない」と言えないのは性格だけのせいではなく、言いやすい仕組みがあれば変わるのだと実感いたしました。ただ、1対1で効果のあった工夫を30人の学級でどう生かすかという疑問が残りました。貴学を志望するのは、1年次から『△△観察実習』で附属小学校に通い、学級の中で子どもがつまずく場面を観察できるからです。また、〇〇教授が授業中の子どもの質問行動を研究されており、私の疑問にそのまま向き合える環境だと考えました。入学後は1年次に教育心理学の基礎を、2年次に『△△教育法』で算数の指導法を学びます。3年次の教育実習ではヒントカードの考え方を学級全体の授業で試し、卒業研究では子どもが助けを求めやすい算数の授業を研究したいと考えております。あの男の子のような子どもが「分からない」と安心して言える教室をつくるため、貴学教育学部で学びたいと考えております。
800字・総合型選抜
この例文のポイント
- 「分からない」と言えない理由を本人に聞き、本で調べ、工夫を試すまでを順に書いており、考えた跡がそのまま伝わります。
- 問いかけの言葉と3段階のヒントカードという具体的な工夫と、2か月後の変化を示しているため、面接でも詳しく話せます。
- 1対1の工夫を学級でどう生かすかという疑問を観察実習・教育実習・卒業研究の計画につなげ、入学後の学びを厚く書いています。